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金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いの依頼

2024-04-06 16:27:31 | 陶器の繕い例

山仕事のメンバーから依頼がありました。

小ぶりの土鍋の蓋が割れてしまったとのこと。

こんな状態です。

先ずは接着です。

余分な接着剤をきれいに剥がして。

次は、黒艶漆の処理です。

本体が黒色なので、金属粉を蒔く必要はありませんね。

漆が乾燥すれは完了ですね。


次の繕いの依頼

2024-01-24 08:16:41 | 陶器の繕い例
次の繕いの依頼は、近所に住む妻の従弟から。
土鍋です。

 

こんな風にふちが割れてしまっています。

 

もう1か所、欠けた部分もあります。

 

さあ、スタートです。

接着剤に地の粉を混ぜたもので。

 

欠けた部分を盛り上げて。

 

こちらは割れた部分。

 

欠片を張り付けて。

 

欠けていた部分、接着剤が垂れない様に置き方を変えて、見守りながら。

このあと、接着面を剃刀できれいにして。

そして、完全に固化させて。

 

次は黒艶漆を塗って、金属粉を蒔く作業です。

土鍋なので丈夫に仕上げたいので、手間がかかりますが、銀の丸粉を蒔くことにしました。

依頼者はお任せしますと。

金粉の丸粉だととても費用がかかりますので、銀粉にしました。

漆だけで色合わせして、仕上げることもできますが。

 

欠けていた部分にも。

漆が固化するまで日にちがかかります。

寒い時期なので、濡れ雑巾を中に入れて、ホットカーペットの上に置いて3、4日。

 

漆が乾いたころ、次は漆を補強する粉固めの作業です。

生漆をテレピンで薄めたものを上から塗ります。

消し粉だと、真綿できれいにするだけなんですが、金属粉をたっぷりしみ込ませた丸粉での作業では、とても手間がかかります。

これまでと同様にホットカーペットの上で漆を乾燥させて。

この工程を3回繰り返して。

 

さあ、いよいよ仕上げの作業です。

丸粉の場合は、鯛牙(たいき)で磨きます。

銀の表面に艶が出てきますね。

 

仕上がりました。

 

修復した部分の状態です。

いい仕上がりですね。

割れていた部分。外側と内側からの様子。

 

欠けていた部分も。

鍋が必要な季節です。

依頼者に連絡してあげましょう。

 

※いろんな金繕いの依頼にも、とてもお安く応じていますので、希望者の方はご連絡ください。

 尼崎市南塚口町8-31-8「陶工房たつみ」 電話090-8214-5659


こんな繕い方も

2023-07-27 07:54:05 | 陶器の繕い例

最近作ったフリーカップ。

ほんの少し亀裂が入ってしまっています。

 
フリーカップはよく電子レンジでも使いますので、金属粉を蒔かない方法を試してみました。
 
「新うるし」を使って。
緑色と白色を混ぜて、色合わせです。

 

こんな感じに。

 

「新うるし」は乾くのが早いので、そのあとしばらくして、本透明で上塗りです。

さあ、使い勝手はどうでしょうかね。


繕い品の再修理 その1

2023-06-05 10:16:11 | 陶器の繕い例

繕いの技がさらに上がってきたので、これまでの繕った品物の再手入れも始めています。

 
まずはこんな平鉢。
水を張って、落下した椿の花などを玄関先に飾っていたものです。
 
きれいに洗って。

 

手入れをしていない箇所もいくつかあります。

 

底もこんな状態。

 

先ずは、接着剤を使って修復箇所の再手入れです。

 

そして、接着剤が乾燥したあと、「新うるし」の白を使って着色です。

本漆の白だと、黄色っぽくなってしまいます。

 

こんな風に綺麗になりました。

 

底も「新うるし」を使って、周りと同色になるようにして。

さらにその上から地の粉

 

底もこんな風に仕上がりました。


次の繕いの依頼

2023-01-05 10:19:39 | 陶器の繕い例

前回の川西パレットでの金繕い教室「器再楽」で、「画廊シャノワール」のオーナーに依頼されて持ち帰った繕い品です。

 
いろんな方との付き合いのあるオーナーですので、依頼品も預かって下さいます。
 
取っ手がきれいに取れてしまった急須です。
焼成前の接着が不十分だったのでしょうかね。

 

こんな風に接着して。

 

2、3日後の接着後の手入れです。

ミニルーターの出番ですね。

 

そして、内側の余分な接着剤も剥がして。

 

さあ、漆の出番ですね。

漆が盛り上がるように、弁柄漆と黒艶漆を使いましょう。

 

そして、金の消粉を蒔いて。

 

漆を乾燥させるのに、こんな容器の中に水分もたっぷりで、ホットカーペットの上に置いて。

 

そして、3日後ぐらいに仕上げです。

真綿できれいにして。

 

完成です。

今月最初の教室でお渡ししましよう。