金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

千代木園陶芸教室での繕いの依頼

2019-02-20 19:15:36 | 陶器の繕い例

先日の千代木園での陶芸教室で、繕い品を依頼されました。

 
この3点です。
角が割れてしまった小皿、二つの器はポタポタと水漏れがします。
簡単な繕いですので、無料で。

 

この作品は高台部分に少し亀裂がありました。

器を温めてアラルダイトを注入します。

 

こちらの器は底の部分にひびが入っていました。

制作時に底の締め方が足らなかったのでしょうね。よくあることです。

同様に器を熱い位に温めて、アラルダイトを注入です。

器を温めるのには、ドライヤーやトーチ、それから電子レンジもとても便利です。

この後、綺麗に余分な接着剤をふき取って。

接着剤の乾燥後は全く水漏れが無くなりました。

 

もう一つの小皿。

何かの接着剤を使った後がありますので、鍋の中で強くボイルして接着剤を除去して。

 

アラルダイトと地の粉を使っての接着です。

 

接着後は、上から本漆の白を塗って。

白漆は象牙色に変色していきますので、この部分にはピッタリでしょうね。

 

そして、2、3日後に3点とも完成です。

 

この小皿の修復部分も白漆の色が濃くなりつつあって、いい感じですね。

 

陶芸の指導だけではなく、金繕いの手法にも少しずつ関心を持っていただくメンバーが出てきて、これからの展開も楽しみですね。

こういった簡単な手法だったら、陶芸の合間に教えてあげたいですね。


川西での金繕い教室の「器再楽」の会

2019-02-15 16:47:18 | 多種類の繕い例

昨日の午後は、川西の「パレット」での金繕い教室の「器再楽」の会でした。

今は月1回となってしまっていますが、最近は参加者が多くて大変です。
この日も丹波市の男性が新たに参加してくださって、9名。
その男性は陶芸と蕎麦打ちをされていて、口辺が欠けたものをたくさん持ってこられました。
 
工程がたくさんありますので、初心者の方にも説明しながらいろんな段階の処理の仕方を観てもらいます。
 
先ずはこの方、最後の仕上げの段階、木綿布でしっかりと磨いたあと、鯛の牙で磨いています。

 

びかっと光り出して大喜びですね。

 

そしてこちらの方は、ベースの接着を前回までに済ませて、黒艶漆を面相筆で。

細い線をきれいに引かれて。

 

そして、その後は銀の丸粉(3号)を蒔いています。

 

この方は、友人から依頼された品物の繕いをされている男性です。

黒艶漆を塗って、もう一つは最後の粉固めの処理を私が持ち帰ったものをこれから磨いて終了ですね。

この方は徹底して繕いの技を習得したいという方。

 

こちらも同じ。

 

この方は、この3点のベースができているので、漆を塗った後、錫、銀どうしょうかなと。

結局は、錫粉を蒔きました。

錫粉の場合、磨かないので、もう家に持ち帰って完成ですね。

 

この方はだいぶ遅れての参加。

銀粉を蒔いたものの粉固めまで終えていますので、磨く最終工程のみですね。

綺麗に光りましたね。

 

そして、こちらの方、徹底して金繕いの技を習得したいという女性、こんなにたくさんの繕いのあるものを金の丸粉で処理して。

家宝扱いしている器ですからと。

高くつきますが、1グラム入りのものをそのまま譲ってあげました。

どれぐらい使ったのかな。

 

このガラスの銚子も金粉で。

ガラスは難しいですね。

漆は透明漆を使うべきだったと反省です。

 

全体の写真はこの片づけている段階となってしまいました。

1時間貸館を延長して約3時間、大忙しの私です。

終わってからも何人かの方達と反省会。

何日もかけて漆を乾かす繕いをしてみて、なんか人生観が変わりましたと仰る方もおられて、なるほどと。

川西での「器再楽」の教室、熱心な方も参加しだしてこれからも楽しみですね。


千代木園陶芸作品の繕い その2

2019-02-13 00:22:35 | 多種類の繕い例

もう一つの繕いです。

 
焼成の時にくっついてしまって。
ミニルーターで分離して。

 

ベースを整えて。

 

「新うるし」での色合わせです。

 

完了です。

  

そして、錫粉処理をする時に、ついでにこの丹波立杭焼の登り窯焼成時に使う作品台もこれまでの亀裂の修復だけではなく、漆と錫粉処理をしてあげました。

 

これは、個展の時などにこんな風に使っているものです。


千代木園の陶芸作品の繕い その1

2019-02-13 00:12:31 | 陶器の繕い例

千代木園陶芸教室の作品の繕いの様子です。

 
作品の移動中に割れてしまって。
とても薄い作り、土もなんか頼りないですね。

 

アラルダイトと地の粉を混ぜたもので。

 

更に上から補強して。

 

その後は、黒艶漆を塗って、錫粉を蒔きました。

 

完成です。

 

 もう一つの作品も同様に。

こんな風に亀裂が入っていました。

 

裏側の様子です。

水漏れがしますね。

 

先ずはアラルダイトを埋めて。

 

続いてアラルダイトと地の粉を混ぜたものでで埋めて。 

 

これもさらに補強して。

 

そして、次の工程。

黒艶漆と錫粉です。

 

完了です。