金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

繕いの依頼がありました その1

2020-05-30 11:28:11 | 多種類の繕い例

今の時期、手がすいているので、金繕いをとても安く引き受けますとのチラシとポスターで宣伝していたのですが、近所の方からようやく依頼が来ました。

口の部分がうんと欠けてしまった備前焼の徳利。

 

もう一つは欠けのある磁器の皿です。


さあ、繕いの開始です。
皿の欠けた部分をよく見ると亀裂が入っていましたので、ドライヤーで温めながらアラルダイトを注入です。


そして、強力粉を混ぜたアラルダイトで欠けた部分の補修です。


陶器のほうは地の粉を混ぜたもので。

 

作業をしていると、妻が「これ欠けてしまったのでお願い」と。
よく傷めるものですね。


アラルダイトが硬化するまで見守ってあげないといけません。
垂れてきますので、ひっくり返したりして姿勢をいろいろと変えて。


その2に続く。


繕いの依頼

2020-05-25 11:00:35 | 陶器の繕い例

次の繕いの依頼です。

こんな時期ですので、手すきなので、うんとお安く繕いの依頼を受けますとのチラシを地域で配布し、ポスターの掲示も総合センター職員がしてくださって。

でも、反応はさっぱり、陶磁器の繕いにはこんなに皆さん関心がないのかと驚いています。

そんな中で、地域の会長さんが依頼品を持ってこられて。

こんな風に2か所欠けています。


陶器製ですが、色が白いので、アラルダイトに強力粉を使って。


ベースができて、次は色合わせです。
白の本漆でいいかなと。


ところが、白漆はどんどん色が黄土色に変色してきます。
翌日にはこんな色合いに。


面白くないなと、「新うるし」の白とベージュで色合わせして上から塗ることにしました。


そして、模様も入れて。


完了です。


アップで。
いい出来上がりだなと。

ところがです。
そのあと、繕った個所の色がどんどん変化し、しかもベトツキがあります。
本漆を完全に乾かさなかったのがいけなかったのでしょうかね。
濡らした手拭きをナイロン袋に入れて漆が完全に乾くように試みたのですが、いつまでもベトツキがなくなりません。

こんな経験、初めてです。
やはり漆は難しいものです。

そこで、思いついたのが、京都の鹿田漆店で入手していた石粉を使うことです。
石粉を上から蒔いてベトツキがなくなりました。
繕い箇所はブルーがかった色になりましたが、周りの模様の色と合っていいかもね。

今回はいい勉強になりましたね。
漆の本でもっと漆のことを勉強しないといけませんね。

 


繕いの依頼 その2

2020-05-12 16:37:09 | 多種類の繕い例

金繕いの作業の続きです。

ベースの繕いが終わった磁器3点。

陶器のほうも。

次の作業は、うんと簡易な方法での私のもの。
「新うるし」での仕上げです。
そば釉のこの器には濃茶で。

こちらのほうは、青と白を混ぜて。


そして、依頼された品物は艶黒漆を塗って。


依頼された方の希望で、錫紛を蒔くことに。


錫紛はとても軽いので、真綿で処理して、2日ほど置いて漆が乾いてから、石粉やうんと目の細かなペーパーで表面を磨いて完了です。

終了です。

「新うるし」だけのものも修理箇所がわからない程度になって、完了です。

 


繕いの依頼 その1

2020-05-11 17:46:11 | 多種類の繕い例

自宅にいるこの時期、金繕いをうんとお安くしますよというポスターとチラシを作ってPRしていますが、なかなか依頼がありません。

近くにお住いの市役所時代からの友人の女性からようやく依頼がありました。

佐賀県の波佐見焼の磁器2点と。


同じく波佐見焼の陶器3点です。


すべて、口の周りの欠けですね。
食洗器を使っているせいのようです。


それと、その方に壁飾りの作品を見てもらった時に、花を入れる小さな容器をうっかりと落としてしまって破損させてしまいました。


さあ、繕い開始です。
アラルダイトに磁器用に強力粉をまぜたものと、陶器用に地之粉を混ぜたもので欠けた部分を修復します。


磁器のものでは、家の器もついでに一つ加わって。

数時間後に、カッターナイフやサンドペーパーなどで修復箇所をきれいに手入れして。
この後、完全に修復箇所が固まるのを待って、仕上げです。

その2に続く。


金繕いのPR

2020-05-06 11:11:29 | 多種類の繕い例

いろんなイベントがすべて中止となっている今の時期、陶芸教室も釉掛けの最終回が残ったまま、金繕いの川西での教室も3月から中止です。
2か所での登り窯の焼成イベントも中止。

そこで思いついたのが、地域を中心に持参できる範囲の方の金繕いを期間限定でうんとうんと安くしますよとPRすることでした。

こんなチラシを作成して、地域内にポストインしました。
金粉や銀粉を漆の上に蒔くと材料費が高くつきますので、簡単な修理を中心にいかがでしょうかと。
金属粉を蒔くと材料費は金粉で約1万円/gと高価、銀粉では600円/g程度、錫紛だとさらにうんと安くできるのですが、日常使いの食器などでは、漆だけで仕上げる方法で十分ですから。

それから、こんな風に地域内の掲示板にも許可をいただいてポスターを貼らせてもらって。


もちろん、家の前にも大きくコピーしたものなどを置いてPRしています。

昨日まで3日間かけて地域の皆さんのお家に200枚ほどチラシをポストインしたのですが、残念ながら今のところ何の反応もありませんね。

100円ショップで安い食器が買えたりしますので、壊れた食器などは廃棄してしまうので、あまり金繕いは必要としないのでしょうかね。
思い出の品物とか記念品とかもあると思うのですがね。
それと、金繕いというのがとても高くつくと思っておられるのでしょうかね。

川西のパレットでの「器再楽(きちら)」の教室では、とても好評で新しいメンバーも次々と加わって、いろんな繕いたいものを持参されているのですがね。

今の時期、家に閉じこもりですので、いくらでも金繕いに応じるつもりなんですがね。