金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

簡単な繕いがいろいろ

2018-12-28 14:14:06 | 多種類の繕い例

いろいろと繕いの依頼があった後は、身近なメンバーからの簡単な繕いです。

 
その一つは、長女からの依頼です。
取っ手がこんな風に壊れてしまって。

 

先ずはこの部分を先行して。

 

そして、本体に接着させて。

 

欠けた部分を補てんして。

 

電子レンジを使いたいというので金属粉は使わず、「新うるし」での色合わせです。

 

完成です。

 

続いては妻の友人からの依頼品。

 

たてに亀裂が入っています。

 

もう一つ、こちら側は目立ちませんが、水漏れがこちらの方が多いですね。

 

この器も普段使いで、電子レンジを使いたいので、温めてアラルダイトを浸みこませるだけでにしました。

 

そして、水漏れが無くなったことを確認して終了です。

 

このほかに、窯出しの時に落として割ってしまった私の作品です。

 

アラルダイトで接着した後、「新うるし」での色合わせです。

緑色で処理した後に本透明を塗り重ねています。

 

とりあえずはこれでOKとしています。

 


次の繕いの依頼

2018-12-24 10:49:41 | 多種類の繕い例

武庫之荘の「ギャラリーR」のオーナーからの依頼です。

 
こんな風に口辺に欠けが。

 
アラルダイトに地の粉を混ぜたもので修復です。
乾燥後はカッターナイフやヤスリで整形して。

 

そして黒艶漆を施して。

 

早速、金の丸粉(3号)を蒔いて。

丸粉は漆の中を沈んでいくので、漆がもういいよと言ってくれるまでこの作業を繰り返します。

金粉を使うなんて久しぶりですね。

この依頼主はいつも金粉でと。

 

蒔き終えて、この後乾燥ですね。

 

二日ぐらいのちに粉固めの処理です。

川西のパレットから持ち帰った「器再楽」のメンバーの作品と一緒に処理です。

 

パレットで錫粉を蒔いた作品。

錫粉の処理ができておらずに、こんなに。

もったいないことです。再利用ですね。

 

生漆をテレピンで薄めたものでの粉固めの処理後です。

この処理を3回ほど繰り返します。

 

だいぶ期間がかかりましたが、ようやく仕上げです。

木綿でしっかりと磨いた後、鯛の牙で。

 

完成です。

 

修復部分をアップで。


12月の川西での「器再楽」の会

2018-12-19 19:00:14 | 繕いの会の様子
12月の13日(木)、月1度の川西での「器再楽の会」がありました。
アップするのを忘れていましたね。
参加者は7名でした。
 

 

皆さんいろんなトラブル作品をお持ちになって。

 

この方のお茶碗、3つの部分を貼り合わせたところですが、他の部分は木っ端みじんという状況。

前回も大破した茶碗をお持ちになって。

夫婦げんかして割ったのかと思われる惨状。

でも、それを上手くベース作りをされて。

銀粉で蒔くか、錫粉で蒔くかちょっと迷われて。

結局繕い箇所が多いので、錫粉にしてもらいました。

 

こちらの2点は、黒艶漆を塗って銀の丸粉を蒔きました。

 

こちらの方は、粉固めは私が家でしてきてあげたので、最後の仕上げの銀の丸粉の磨きだけの作業。

鯛の牙を1本差し上げて、ご自分で磨いてもらいました。

綺麗に光り出して大層喜んでもらえましたが、この後の繕いの品物は無いようで、一応お終いですね。

 

1時~2時45分の教室、私は大忙しで写真もまともに取るひまがありません。

バダバタと片づけて、次回は年明けの1月10日ですね。

1回の参加費がワンコインというお手軽さ、本格的に取り組みたいという方が3、4人おられますが、そのうちのお一人の男性は就職先が決まって、これからは参加できないとのこと、残念ですね。

たまには私の家に来てもらうのもいいかもしれませんね。

追記:昨日川西に行く用事があったので、パレットに保管した繕いの3点を持ち帰りました。
粉固めを次回までに私の方でしてあげましょう。 

次の繕い3点

2018-12-17 11:24:06 | 多種類の繕い例

次の繕い品は3点です。

 
先ずは、千代木園の陶芸教室の作品。
すごい作品を作られる方の1点。
本焼き前に割れていたものを、焼成して繕ってあげますよと。
 
本焼き後です。

 

本焼き前に割れてしまっていたので、少しずれができますね。

アラルダイトで充填と接着して。

 

接着完了。

 

この後、「新うるし」の白などで修正。

 

裏側も。

 

完了です。

亀裂があまり目立たないくらいに修復が出来ました。

今度の金曜日の陶芸教室の時にお渡ししましょう。

 

2点目の繕いはすり鉢です。

リハビリの病院に入院中の義母のものです。

家の片づけをしていて、妻が持ち帰りました。

割れた破片も取置いていてよかったですね。

 

アラルダイトで接着です。

 

そのあと、本漆での仕上げですが、すり鉢の色とあわせて本漆の赤呂色にしました。

 

釉薬に亀裂が入った部分もあわせて。

 

完了です。

赤呂色漆、乾燥させると少し濃い位の色でしたね。

さあ、これでまた使えますよ。

 

もう一点は茶碗の欠けです。

書道教室の仲間からの依頼品です。

 

先ずはベース作り。

アラルダイトに小麦粉(強力粉)を混ぜたもので。

この後の固まるまでの面倒見が大切なんです。

ずっと付き合って。

 

そして黒艶漆を塗って、銀の丸粉を蒔いて。

 

2、3日後、次は粉固めの作業です。

生漆をテレピンでうすく薄めたもので、銀粉の上に塗って。

乾かします。

これを3回ほど実施して。

 

この後、木綿と鯛の牙で磨いて完了です。

 

よく輝いています。

今日の午後の書道教室の時に、早速お渡ししましょう。

さあ、いくら頂きましょうか。

銀粉は安いですが、ここまでの手間が大変ですね。