金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

持ち帰った小さな額の繕い

2018-01-22 17:33:20 | その他の繕い例
先週の木曜日の川西での「器再楽(きさら)の会」から持ち帰った小さな額です。

こんな風に壊れていました。
「大変でしたら諦めます」と画廊シャノワールのオーナーは仰いましたが、「いいえ、直します!」と私は持ち帰ったのです。
何でも直してみようとする私、どんどん経験を積んでいます。



先ずは壊れて分離した部分をアラルダイトで接着します。

欠損部分がだいぶありますね。



そして、翌日です。

今度はアラルダイトに地の粉を混ぜたもので欠損部分の充填です。

木の粉が本来ですが、どちらでも大して変わりません。



そして、プラスチック板を使って整形です。

ここがミソですね。



そし、さらに翌日です。

プラスチック板を剥がしてカッターナイフやヤスリ、水ペーハーなどを使ってベースの仕上げです。



そして、「新うるし」を使っての色合わせです。

色合わせには「新うるし」は抜群の効果を発揮しますね。




いろいろと色を混ぜ合わせて、ようやく周りに近い色を作ることができて、塗装して完成です。

材料費はあまりかかりませんが、この手間を考えれば、新しいものを買ったほうがはるかに安くつきます。

でも、壊れたものを再び使える様にする「器再楽」の技はとても貴重だと自信を持っています。





入っていた作品を再び入れて、終了!(壊れていた部分は左上です)

画廊シャノワールのオーナーの驚く顔をみたいものですね。

そして、さらにもう一つの大きな額、欠けた部分の重点は済ませていますので、目の前で金粉でさっと仕上げて、さらに驚かせてあげましょうかね。



金繕いの技をできるだけ広げたいと思っていますが、たいていは何日間か掛かる作業ですので、なかなか伝えるのが難しいですね。

これまで、何人か熱心な方を指導したことがありますが、私のブログを見て引き続き研究してほしいものですね。

それから、繕いを希望する作品もいつでもお受けしますよ。

※まだアップしていない最近の繕い例が多数あります。
ぼちぼちアップしますので見て下さいね。

川西での「器再楽」の様子

2018-01-22 17:19:59 | 繕いの会の様子
1月18日の川西のパレットでの繕いの会「器再楽」の様子です。

参加者は6名と多かったのですが、ほとんどのメンバーがもう繕うものが無い状態となってしまいました。


この方も、今回限りということで、後の処理が容易な錫粉を使って、すぐに仕上げです。


繕うものがたくさんあるのはこの男性のみ。

ご自分で陶芸をされているので、いろいろとトラブルの作品がおありで。

この方は、とても熱心で、金粉なども含めてほぼ繕いに必要なものを揃えられました。

あとはいろんなケースで経験を積むだけですね。


それから、このパレットに隣接する「画廊シャノワール」のオーナー、いろんなものをお持ちで、前回はお一人だけの参加で、マンツーマンでいろんなものを直しましたね。

そして、今回はこんな額縁です。

この欠けた部分を埋めて、次の機会に、金粉を蒔きましょう。

それから、小さな額縁で壊れたものもあったのですが、私が預かって帰りました。



もう繕うものが無い状況ですので、川西での「器再楽」の活動はしばらく休会して様子を見ることにしました。

この額縁の仕上げはとても簡単なので、次回ギャラリーを訪れた時に、道具類を保管せてもらっているパレットから持ち出して、ギャラリー内で作業をすることにして。

川西まで出かけての教室でしたが、どんどん新しいメンバーが参加する状況でないと会の活動を続けるのは大変難しいものです。

それで、これからは月に1、2度曜日などを決めて自宅内で繕いの教室をやることを企画しようと考えています。

気になる熱心な男性については、篠山という遠方ですので、今後も必要に応じて連絡を取り合ったり、たまに参加してもらえればいいなと思っています。