次の繕いの依頼です。
コーヒーカップの取っ手の部分は、丈夫に使ってもらうために接着剤を盛り上げたまま、「新うるし」の緑で色合わせをして。
何故か、今回は少しブルーっぽいですね。
あとの2点は接着剤をきれいに剥がした後、面相筆を使って黒艶漆です。
熱を加えすぎたせいで、接着剤がうんと固くなってしまっていて、きれいに剥がす作業がとても大変でしたね。
いろいろといい経験になりますね。
そして、湯飲みは銀の消し粉を蒔いて。
こちらのきれいな器は、金彩の釉薬をたくさん使っているので、金粉が似合いますね。
金の丸粉を使ってあげると、漆の中に金粉が沈んで、層をなしたとても丈夫な仕上がりになるのですが、金の価格はとても高くなっていて、丸粉だと現在20,400円/gほど
金の消し粉の価格も、14,000円/g程度と高額になっていますが、消し粉は漆の上をコーティングするだけなので、使用量が全く違ってきます。
内側も。
たくさん使った金粉の材料費が気になりますね。
そして、湿気を含んだ暖かくした容器で漆を3日間ほどかけて乾燥させて、最後の手入れです。
消し粉は真綿できれいにするだけですが、ナイフできれいなラインに整えて。
出来上がりました。
ひび(にゅう)がたくさん入っていましたね。
銀の消し粉を使った湯飲み。
そして、作業が容易だったコーヒーカップ。
3点仕上がったので、同級生に連絡を入れて届けてあげましょうか。
※いろんな金繕いの依頼にも、とてもお安く応じていますので、希望者の方はご連絡ください。
尼崎市南塚口町8-31-8「陶工房たつみ」 電話090-8214-5659