金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

妻が自分の作品を繕って

2016-09-29 17:35:56 | 陶器の繕い例
これも随分以前のことですが。

妻が作った作品が染仲間に渡ったのですが、使わないうちに落として割ってしまったとか。

それで妻が自分で繕いをするということになって。
これまでもいろいろと教えてあげていますので大丈夫ですよ。

アラルダイトで接着した後、ガムテープで固定しています。


翌日以降です。接着出来ました。


たくさんの割れたところがありますが、真ん中の部分はそのままで、周りだけ銀粉を蒔くという方針らしいです。
赤いべんがら漆を置いて。


裏側も。
裏側のアラルダイトの拭き方が足りなかったので光っていますね。


そして、次の工程、銀の丸粉を蒔くところです。裏側から。


続いて表側。


そして、底の部分は白漆で装飾。


そして、仕上げです。
この前に何日かかけて銀粉を漆で固める粉固めの工程も2回経ています。
鯛の牙で磨いて。


裏側の白漆はこんなに色が変化して。
本漆は色が変化しますので、塗った時の白漆の白ではありません。
場合によっては「新うるし」の方がいいですね。


うーん、まあまあの出来栄えでしょうかね。
全工程を自分でやり遂げたので、いい記録となりましたね。
プリントアウトしておいてあげようっと。

またまた三味線の棹の修理

2016-09-29 17:26:56 | その他の繕い例

(続編を先にアップしてしまい記事が逆転してしまいました。すみません)

またまた三味線の棹のトラブルです。
子どもたちに三味線を教えている「さとっさん」から依頼されました。

長い間使っていると接着剤が劣化してしまうのでしょうかね。


劣化した接着剤をヤスリや紙ペーパーで取り除いて。


そして、アラルダイトでの接着です。
さて、アラルダイトはどれ程の期間有効なのか、分かりませんが。


そして、しっかりと布テープで固定して。
この作業は一人では無理ですね。妻の手伝いで。


ほぼ一日置いて完了です。
よく接着できていますが、少しズレができてしまっています。
しっかりと布テープで固定したつもりですが。ずれるのですね。
なにか他の手法を考えないといけませんね。
この状態で、胴の部分に入ればいいのですが、ダメなら少し削らないといけませんね。
一応「さとっさん」に届けたのですがね。
どうでしょうかね。

続・三味線の棹の繕い

2016-09-29 17:20:02 | その他の繕い例
だいぶ前の繕いになりますが、アップできていませんでしたので。

西宮エリアブログのブロガーの「さとっさん」から依頼された三味線の棹の修繕。
一度修繕を終えたのですが、接着部分がずれてしまって、胴に入らないとのことでやり直しです。

今回はアラルダイトに木の粉を混ぜてです。


ガムテープでの接着だとどうしてもずれがしょうじてしまいますので、今回はこんなクランプを使って、しっかりとズレが無いようにして。


接着面にほんの少し遊びがありますので、正しい位置にあるかの確認が要ります。


横からも確認して微調整です。


そして、翌日です。
今回はばっちりですね。



繕いがいろいろとあります その2

2016-09-16 06:37:09 | 陶器の繕い例
二つ目の繕いは私の愛用している青銅釉の酒器です。

なぜかこんな風に口辺が欠けて。
良く使うものなので早く繕わないとね。


いつものアラルダイト地の粉でベース作りをして。


最後の仕上げのヤスリ掛けです。


艶黒漆を施して。
この漆、空チューブを入手して詰め替えたので、使いやすくなりました。
少しづつで長期間使い続けていますので、キャップの部分が傷んでしまいます。


すぐに銀の丸粉(3号)をたっぷりと蒔いて。
このあと湿気のある容器で乾燥です。


その後、生漆をテレピンで薄めたもので粉固め処理をして。
今から仕上げの磨きです。漆を塗ってからここまでは4日ほど。
途中で持ち出して使いましたが。
先ずは木綿でしっかりと磨いて。


最後の仕上げは鯛の牙です。


完成です。
この酒器、何かい繕っていることか。
次の機会には、錫粉を使って全部蒔き直そうと思っています。

繕いがいろいろとあります その1

2016-09-16 06:28:35 | 陶器の繕い例
妻が世話になっているヨガ教室の先生から依頼されたと、割れた器を持ち帰ってきました。

可愛い絵柄が描かれた小鉢。
買ってきたばかりだのに落としてしまって、木端微塵ですね。


アラルダイトのみで接着開始です。


ガムテープで留めて。
1箇所、割れのひどい所は地の粉を混ぜたもので補填しています。


一日たって、接着完了です。


装飾をどうしようかと考えて、絵柄を考慮して銀粉や金粉を蒔かない手法としました。
「新うるし」の本透明を面相筆で置いていきました。


絵の部分はこんな感じ。


そして、「新うるし」の処理して乾燥させた後、絵の上下の部分は本漆の「赤呂色」を置きました。
「赤呂色」は顔料を入れずに生成した本漆で、乾燥すると丁度絵柄と同じ茶色に変色します。
絵の邪魔をしない処理ですね。


裏側は「新うるし」の本透明のみで。
こういう手法もいいかもね。
預かって1週間後のこの水曜日にヨガの先生にお渡ししました。銀粉や金粉を後から蒔くこともできますが、この手法で気に入ってくださったとのことです。