金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いの依頼 その2

2019-03-25 12:23:53 | 陶器の繕い例

出来あがったベースの上に銀粉を蒔いて。

 
その後は、粉固めの処理です。
生漆をテレピンで薄めたものを塗りますが、これを3回ほど繰り返して。
銀粉をしっかりと固定するのです。

 

粉固めが終わった後、いよいよ最終工程です。

アルコールを使って、ついている余分な漆などをきれいにして。

そして、木綿で磨いて。

 

最後に鯛牙(たいき)での磨きです。

ピカッと輝き出します。

 

完了です。

もうこれ以上剥がれは広がらないでしょう。

漆だけではなく、アラルダイトも使っているというデメリットがありますが、抹茶を楽しむぐらいなら大丈夫でしょう。

本人の寿命より、器の寿命の方が大事だとこの友人に伝えてあげましよう(笑)。

 

 


次の繕いの依頼 その1

2019-03-25 12:18:33 | 陶器の繕い例
次の繕いの依頼です。
 
元尼崎市職員でしたが、大学の陶芸分野に行き直して、陶芸教室も開いていた方です。
 
こんな品物です。
お気に入りの抹茶茶碗とのことですが、釉薬にカオリンを混ぜたせいか、ひび割れがたくさん入って雰囲気が良かったのですが、そのうち剥がれだしています。

 

少し横から見るとこんな感じ。

どんどん剥がれが広がっていきますね。

 

内側にももう1箇所剥がれだしています。

何とかやってみましょうと預かって。

 

先ずは剥がれがこれ以上広がらないようにアラルダイトを注入します。

電子レンジ、更にはドライヤーを使って熱くなるまて熱して。

アラルダイトが広範囲に染み通って固めてくれます。

この2か所以外の箇所も、念のため同じような処理をしておいて。

 

次の工程は、アラルダイトに地の粉を混ぜたものでベースの繕いです。

もう剥がれの部分の周りはしっかりと固定されたようです。

 

そして、接着剤が固まった後、仕上げに入ります。

 

黒艶漆を塗って。

 

銀の丸粉(3号)を蒔いて。

その2に続く。

 

持ち帰った繕い品の再繕い

2019-03-24 11:40:19 | 陶器の繕い例

銀粉を蒔く作業まで終えて、仕上げ前の粉固めのために、家に持ち帰った川西「器再楽」の繕い品です。

 

よく見れば、こんな風にまだへこんだ部分があったりして。

 

それで再手入れをしてあげようと、取り組み始めました。

接着剤がまだ結構残っていることにも気づきました。

カッターナイフなどで取り除いて。

 

そして、更には水ペーパーの処理をして。

 

そして、アラルダイトと地の粉で再補填です。

 

これで乾かして。

 

そして、黒艶漆を使って、銀の丸粉を再度蒔いて。

 

終了です。

とても良くなりましたね。

後は粉固めの処理を3回ほどして。

次回の教室で、磨きの仕上げをしてもらいましょう。

初心者の方ですが、とても上手に作業をされていて、横にいた少しベテランの方の指導もあったので油断していましたね。

反省です。

これからは工程ごとに私の方でも点検しないといけませんね。

 

 

メガネの修理だって

2019-03-16 16:01:32 | その他の繕い例
壊れたメガネを何とかしてほしいという依頼です。
依頼者は友人の奥さん、といっても長男の嫁の母親です。
 
メガネ屋さんで高い修理費を言われたので、私の方で何とかならないかって。
 
こんな風に部品が取れてしまって。
いつものようにアラルダイトを使って、接着を試みましたてが、とても小さな部分で力もかかる個所ですので、すぐに取れてしまいました。

 

それで、ハンダゴテを取り出しての試みです。

ハンダゴテを使う事なんて、ほとんどないので、うーん、とても難しい。

 

何とか部品がくっついて。

 

このあと、余分なハンダをヤスリで取り除く作業。

ところが、その部分に耳に掛ける部分を取りつけて調整していると、また剥がれてしまいました。

接着させたいところに上手くハンダが乗らずに周りで固定していたみたいです。

それで、再度接着を試みて。

 

こんな風に完成しましたが、強度にまったく自信がありません。

それで、今度ははみ出たハンダはそのままにして。

丁寧に使ってみて、それでだめなら、やはりメガネ屋さんに持って行ってくださいと言って、お渡ししました。

さあ、どうなんでしょうかね。

 

川西の金繕いの教室「器再楽」の様子

2019-03-16 15:30:12 | 多種類の繕い例

川西での金繕い教室の「器再楽」の会の14日の様子です。

 
参加者は8名。
しっかりと技を習得したいという方が3名も居られて頼もしいですね。
 
半年ほど休会したこともあり、その後は月1回で運営していますが、6月からは月2回になる予定です。

さあ、始まりです。
たくさんの繕い品が持ち込まれて。

 

この方、陶芸をされている方で、色々沢山トラブル品があるようです。

 

この方、金の丸粉を沢山蒔いて。

漆の塗り方が雑だったので、仕上げた後、カッターナイフの刃先できれいにするやり方にトライしてもらいました。

とても大切な器だとのことです。

お家は純米酒しか扱わない酒販店、そこの奥さんですって。

大手の酒販店との競争が大変みたいですね。

 

良く使っているという抹茶茶碗、欠けた部分(ほつ)の修復です。

もう一つ、大きく割れてしまったマグカップは、接着剤を塗って、テープを巻いて、形が復元して。

「ああ、嬉しい!」と喜んでくれるその女性の様子に私も嬉しくなりますね。

この日は、ひび割れたものの修復方法を丁寧に皆さんに観てもらいました。

でも、写真を撮っている余裕は全くありません。

これからはもう少し撮る配慮をしないといけませんね。

 

新しく参加された男性。

大きなひびが入った漆器を持参されて。

この日は簡単な修理ですので、いろんな繕いの様子をしっかりと観てもらいました。

 

教室の使用は2時間弱ですが、後に利用者がいない時は1時間延長してもらっていて、それで丁度いいぐらいですね。

でも、私はとても疲れますがね。