金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

繕いがいろいろと その4

2015-01-31 14:22:39 | 磁器の繕い例
個展時に依頼があった繕いの一つです。

池田市にお住いの城内高校時代にご一緒だった家庭科の先生からの依頼です。

「THE BOTANIC GARDEN circa 1818」「PORTMEIRION 1972」の表記がある英国製品のポットだ。

大きなひびが入っているが、作業中その周りにも多数の小さなひびが入っていることに気がついた。
たぶん落とした時の衝撃でしょうね。
でも、小さなひびは使用上は問題ないようだ。

ポットを洗い漂泊してから作業開始です。


先ずは、ポットを温めて接着剤のアラルダイトを浸みこませます。


接着剤が乾燥してから、黒艶漆を引くが、内側はひびを見極めて漆を引いていくのがとても難しいので、先ずはドットで漆を引く部分が判るようにして。


外側は容易ですね。


その後、銀の丸粉をたっぷりと置いていきます。何回か処理します。


外側も終了です。


漆を乾かすムロは、濡れぞうきんを入れたこんな風でいいです。


3日ほど乾燥させた後、鯛の牙で磨きます。


終了です。


今回とても細いラインですので、上から「新うるし」の本透明の処理を行っています。
さて、池田の「秋田屋チェーンソー」に用事があるので、近いうちにそのついでに届けましょうかね。


繕いがいろいろと その3

2015-01-25 10:36:13 | 陶器の繕い例
個展開催に合わせて、繕いの依頼が続きました。

高校時代の恩師とその奥さんの同窓生からの依頼。
3点あります。

綺麗に割れてしまった蓋。つまみも取れて。


これは、1箇所ほつ(欠け)が。


このフリーカップは去年の個展の時に買っていただいたもの。
この品物の繕いは、割れ保障つきですので、無料となります。


ベースの繕いです。


乾燥後、ヤスリ掛けや水ペーパー掛けを終えた段階。


黒艶漆を施して。


金粉と銀粉を蒔いて。今回は平極で。


ムロに入れて乾燥、2、3日後、鯛の牙で磨いて。
黒艶漆が濃すぎたのか、不本意ですが、チョット皺入りになってしまっていますね。


このフリーカップは、欠片を活かして繕ったため、少し形がいびつ。
欠片は諦めた方がきれいに仕上がったかなと反省です。
見た目では判りにくいですが、小さなひびが2本入っていますが、接着剤で処理済みです。


このほつの部分も皺が入っているな。


今回は、繕った部分の補強のために、3点とも上から「新うるし」の本透明を塗っての仕上げとしました。
やはり、平極より丸粉の方が丈夫でいいようですね。

繕いがいろいろと その2

2015-01-25 10:19:47 | 陶器の繕い例
個展会場でも簡単な繕いをしておりました。

購入希望があった鳥獣戯画の絵を入れた楕円茶碗の底の部分にわずかな亀裂が。
それと、尼崎弓道協会の初射会用に用意していた箸置きを、不用意に壊してしまって。
すでに金粉を蒔いたところです。


完了です。


こちらの箸置きも却って風情が出ましたが、これは私が使うことにして、完品を6つほど初射会の景品として提供しました。

繕いがいろいろと その1

2015-01-25 10:15:15 | その他の繕い例
金繕いの会・「器再楽」の活動の方は、参加されていた方達の繕いの品物が無くなって残念ながら中断しているが、私のもとにはいろいろと繕うものが。

先ずは、年末にお酒などを入れているキャビネットで見つけた猫の木製の置物。


壊れたしっぽの部分。
一応接着してありますが。
今なら簡単に修理ができます。


黒の「新うるし」で。
右耳も。



終了です。
いとも簡単でしたね。

新年からの繕いの依頼 その2

2015-01-20 19:41:41 | 磁器の繕い例
卒業記念のカップ。

やはり次のステップに進むことにした。

接着した外側の部分が、触ると違和感があるので、漆で埋めることに。
使ったのはも赤呂色漆に顔料の呉須を混ぜたもの。
この試みは初めてだ。


接着した部分に細いラインで漆を入れていきます。
拡大鏡の出番ですね。


仕上がりました。


触ってもそれほど違和感が無くなりました。
また、新しい手法をゲットです。
こういった繕う機会がたくさんないと、進歩はありません。


銀粉の平極を蒔いた内側の様子を再度。
いい仕上がりになりましたので、依頼主にも満足してもらえるでしょう。