金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いの依頼 その3

2024-03-31 12:25:54 | 磁器の繕い例

2枚の皿の繕いの依頼があったものです。

金の丸粉を蒔く処理をした1枚は大変手間がかかりますが、もう一枚の方もちょっと気になることがあって。

ひび(にゅう)の入ったところに接着剤を注入するために、電子レンジで温めようとしたのですが、周りのラインに施されていた金色の部分、なんと電子レンジで発火してしまったのでした。

金色の処理がされた磁器の品物、こんなことはあり得ません。びっくりでした。

繕いで金属粉を蒔いたものは電子レンジを使用しないのが原則ですが。

焼成されたものでこんなことが起こるとは。

 

それで、発火した部分の金色があまり良くないので、金の消し粉の処理を施すことにしました。

「新うるし」の本透明を使って。

手回し轆轤が有効でしたね。

本透明を塗ったところに筆を使って金の消し粉を蒔いていきます。

「新うるし」なので乾燥も早く、結構いい状態に回復しました。

これで依頼者の方に届けられますね。

 


次の繕いの依頼 その2

2024-03-24 18:58:52 | 磁器の繕い例

依頼された繕い品の続きです。

 
黒艶漆に金の丸粉を蒔いた皿です。
漆が乾燥するまで日にちを要します。
 
その後、生漆をテレピンでうんと薄めたものでの粉固め処理です。
漆が乾いたらまた同じ処理を、3回繰り返します。

 

仕上げの処理です。

余分に漆を塗った部分をきれいに削って。

 

そして、最後の段階、鯛の牙(たいき)での磨きの処理です。

 

こんな風に金が輝いて。

 

もう一枚は、ひびの部分を補修して、目立たない様に「新うるし」の白を塗って。

こちらは手間はかかりません。

 
仕上がった2点です。


次の繕いの依頼 その1

2024-03-22 18:09:38 | 磁器の繕い例
次の繕いの依頼です。
 
綺麗な外国製の皿が2枚です。

 

1枚は、ふちが割れていて、2つの破片があります。

 

もう1枚はひびが入っています。

 

早速接着して、その上から「新うるし」の白を塗って。

 

割れた方の皿の裏側は、少しその部分が削れていました。

 

「新うるし」が乾燥した後、黒艶漆を塗って。

 

金の丸粉を蒔いて。

この後、漆が乾くまでだいぶ日数がかかりますね。

もう1枚の方は、「新うるし」処理のみで。

 

丸粉は追加処理が必要です。

 
続きます。