金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

繕いがいろいろと その5

2015-02-03 13:21:44 | 陶器の繕い例
矢野さんに作品を届けた時に依頼された繕いです。

挟むところがある青銅釉の酒器です。
私の作品を購入していただいたものなので、無料の修理です。


いつものようにアラルダイトと地の粉でベースを。


ところが今回はアラルダイトのラピッドタイプを使ってみましたが、良くありませんね。
全部剥がしてやり直しです。


ラビットタイプだと固まるのがとても速いですが、どうも丈夫ではないようですね。
いつも使うスタンダードタイプだと、固まるまで半日は必要で、こんな風に固まるまでひっくり返したりの付添いが必要なんです。


翌日にベースをヤスリで調整。


その後、1000番程度の水ペーパーで仕上げです。


そして、黒艶漆。
2か所のトラブル。


銀の丸粉3号をたっぷりと吸収させて。
何回か蒔いて。


ムロの中で漆を乾燥させること2日余り。
木綿でしっかり磨いた後、鯛の牙で仕上げます。

しっかりとした繕いが完了です。
今回は、最後に「新うるし」の本透明処理もして、さらに日にちが要りましたね。
さあ、届けましょうか。