金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いの依頼

2016-04-19 14:30:46 | 陶器の繕い例
大阪阪南市の著名な陶芸家さんからの追加の繕い依頼です。

今回は2点です。
白い部分が、釉薬の関係でほんの少し欠けたところです。


こちらも1か所。


アラルダイトと地の粉で欠けた部分を埋めて。


ベースが固まった翌日に黒艶漆を塗って、金の丸粉(3号)を蒔きます。


こんな風に何度も金粉をタップリと蒔いて行きますので、劣化はありません。


欠けた部分以外の白い部分にも同じ処理をして見栄えを良くしておきました。


そして、ムロの中で乾燥させて、さらに粉固めの処理をして。
いよいよ最後の磨きの工程です。
木綿布でしっかりと磨いた後、鯛の牙で磨きます。


完成です。


こちらの作品は、欠けた部分以外も処理しています。


これらの作品は、こんな形の金彩釉のものです。
5月に個展が予定されていますので、早速送らせてもらいました。

繕いの依頼

2016-04-12 14:20:58 | 陶器の繕い例
以前西宮エリアブログを書いていた下駄さんの紹介で繕いの依頼がありました。

電話でお話しすると、阪南市にお住いのすごい陶芸家のようです。
大阪工芸会の副会長だった方で、今でも陶芸部門の審査員をされています。
「今年の私の立杭の登り窯の入選作を覚えておられますか」なんて聞いてしまいましたね。

その後、こんなものが届きました。水差しか何かの部品の蓋の部分に大きな亀裂が。



それにしてもきれいな釉薬の発色ですね。
さすがですね。


ベースは漆ではなくいつものアラルダイトで。


亀裂の入った部分が少し凹んでいますが、盛り上げる必要はないでしょう。



次の段階です。
黒艶漆を塗って。


金の丸粉(2号)をたっぷりと使って蒔いていきます。


ムロの中での漆の乾燥後、粉固めの工程を入れました。
生漆をテレピンで薄めたものを塗って、金粉を固めます。


その漆も乾燥させた後、最後の仕上げです。
木綿でしっかりと磨いて。


そして、鯛の牙で磨きます。
ピカッと蒔いた金が光り出します。


仕上がりです。
早速お送りしました。
追加で依頼したい作品があるというお話で、次は直接来られるとのことでしたが、いつなんでしょうかね。