金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

三味線のバチも修理

2024-01-31 15:04:30 | その他の繕い例

次の繕いは、なんと三味線のバチです。

 
妻が使っているものです。
これまでも割れてしまった箇所を接着したことがありますが、今回は欠けてしまっています。
 
このバチ、象牙それともプラスチック。

 

接着剤に強力粉を混ぜたもので復元です。

こんな場合、湿布薬のプラスチック板がとても重宝します。

こんな形で、接着剤が固まるまで。

 

そして、手入れです。

カッターナイフで成形した後、余分な固まった接着剤を水ペーパーで整えて。

 

さあ、形が復元できました。

 

周りと違和感がないように補修箇所に黒艶漆を塗って。

この後、漆が乾くまで何日もかかりますね。

 

さあ、出来上がりました。

補修した箇所は、接着剤ですので、丈夫ではないようで、使わない方がいいのでしょうね。

 

それでこんな印をつけて、使わないようにして。

このバチ、最近中学生の孫娘が妻から三味線を教えてもらっていて、その孫に使わせるそうです。

 

※いろんな金繕いの依頼にも、とてもお安く応じていますので、希望者の方はご連絡ください。

 尼崎市南塚口町8-31-8「陶工房たつみ」 電話090-8214-5659

 

張り子の虎の修理

2021-12-31 17:06:28 | その他の繕い例

玄関から入ったところの正月の飾りを用意していて、妻が昔々のこどもの日に買った虎の張り子を見つけて持ち出してきました。

 
ところがずいぶん傷んでいました。
はめ込み式の尻尾の傷みが一番ひどく、他にも、口のひげの部分、耳、脚にも傷んだところが。
「直せます?」と聞かれて、何とかトライしてみるよと。

 

脚のへこんだ部分に綿を詰め込んで。

 

尻尾の壊れた部分に紙を貼り付けて。

さらにテープも貼り付けて。

これで補強されるはず。

 

補強した部分にキムワイプのも貼り付けて。

 
そして、最後に絵の具で色付けして仕上げです。

 
終了です。
これも何とか元旦に間に合いましたね。


ちょっとした繕い

2021-03-04 17:29:21 | その他の繕い例

こんな繕いも、最近やりました。

 
妻が友人にプレゼントするために買ってきた小さな額。
それを帰宅したときに玄関先で落としてしまって。
 
写真では撮り忘れましたが、この猫の足の部分が折れてしまって、欠けた部分もあります。
折れた足を接着して、このあと、欠けた部分は接着剤に木粉を混ぜたもので復活です。

 

そして、こんな姿勢で接着剤が硬化するまで。

この写真で、欠けた部分を埋めている状態がわかりますね。

そして、補修部分に赤ロイロ漆を塗って。

ところが仕上がりは周りと比べて艶がありすぎて。

それで、水ペーパーで処理した後、今度は色が取れてしまって。

 

そのあと「新うるし」で色合わせして、こんな風に.出来上がりました。

壊れていたとは思えないいい出来上がりになりました。

でも、妻はもうプレゼントにはできないと、自分で使っています。

私は、「壊してしまったけど、直してもらったんよ」と伝えてプレゼントすればいいのにと思いますが、価値観の違いでしょうかね。


メガネの修理だって

2019-03-16 16:01:32 | その他の繕い例
壊れたメガネを何とかしてほしいという依頼です。
依頼者は友人の奥さん、といっても長男の嫁の母親です。
 
メガネ屋さんで高い修理費を言われたので、私の方で何とかならないかって。
 
こんな風に部品が取れてしまって。
いつものようにアラルダイトを使って、接着を試みましたてが、とても小さな部分で力もかかる個所ですので、すぐに取れてしまいました。

 

それで、ハンダゴテを取り出しての試みです。

ハンダゴテを使う事なんて、ほとんどないので、うーん、とても難しい。

 

何とか部品がくっついて。

 

このあと、余分なハンダをヤスリで取り除く作業。

ところが、その部分に耳に掛ける部分を取りつけて調整していると、また剥がれてしまいました。

接着させたいところに上手くハンダが乗らずに周りで固定していたみたいです。

それで、再度接着を試みて。

 

こんな風に完成しましたが、強度にまったく自信がありません。

それで、今度ははみ出たハンダはそのままにして。

丁寧に使ってみて、それでだめなら、やはりメガネ屋さんに持って行ってくださいと言って、お渡ししました。

さあ、どうなんでしょうかね。

 

個展会場内での繕い

2018-04-04 16:06:55 | その他の繕い例
(この記事もアップし忘れです。2月のものです)

昨日の川西行きは、出来上がった小額をギャラリーのオーナーにお渡しし、もう一つの額の繕いを仕上げる事でした。

ところが、丁度「パレット」では、次年度の団体登録の説明会があって。
で、私も急遽その説明会にも参加して。

その途中から、道具類を置き場所から持ち出して、あてにしていた「パレット」は使えないので、松岡さんの個展会場内での繕い作業でした。

穴が開いていた箇所を前回の「器再楽」の繕いの時に埋めて、下向きに置いてもらうようにオーナーに依頼していたのでしたが。
ダメでしたね。
繕い箇所が少し凹んでいます。
「なーんにも、私の言う事を聞いていませんね」と、私。

前回の写真です。


仕方がありません。少し凹んだまま、「新うるし」を塗って、金の消し粉を蒔いて。


真綿で軽く表面を拭いて終了としました。
あっという間の仕上げでしたね。