金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

川西での金繕い教室「器再楽」

2019-09-27 11:56:00 | 多種類の繕い例

昨日は、今月2回目の川西での「器再楽」でした。

参加者は8名。
 
最近はこういったレイアウトで、私は手前のテーブルです。

 

今回2回目の参加の女性。

前回にベースを仕上げたものを沢山お持ちになって。

 

「画廊シャノワール」のオーナーの佐野さん、たくさん並べられて。

掛け持ちなので、画廊と行ったり来たりで。

 

前回ワイングラスを繕った方。

今回もいいポットを持ってこられて、注ぎ口が壊れて。

知人から繕いを頼まれたそうです。

シーサーは脚のところが割れていて。

 

遠くから参加されている陶芸家で蕎麦打ちもされている男性。

キムワイプも自分で購入して、繕いの材料をほぼ揃えられて本格的に繕いを勉強されています。

 

漆器の繕い、赤ロイロ漆で仕上げです。

この人も本格派を目指しておられます。

 

大破した花入れ、時間をかけてご自分で。

 

この方の前回の続きの作業。

内側は私が黒艶漆を塗って錫粉を蒔きましたが。

 

今回は外側をご自分で漆の処理をして。

線をきれいに引く練習をされてきたそうです。

錫粉を蒔いて、大破していたこの器もこれで終了ですね。

後は真綿で磨くだけですね。

 

湿布薬のプラスチック板がとても役に立つことを、新しいメンバーにも見てもらいました。

「それって繕い用のプラスチック板ですか?」と。

いえいえ、いろんなものをうまく利用するのですよと。

 

皆さんとても熱心で、3時間近くの教室の間忙しくて疲れますが、とてもやりがいがありますね。

 

シャノワールの佐野さんの品物も、完成です。

それから、佐野さんが知人から預かって私が持ち帰って繕った品物3点の仕上がり具合も皆さんに観ていただきました。


川西から持ち帰った繕い品 その2

2019-09-20 10:52:07 | 多種類の繕い例

川西から持ち帰った繕いの依頼品の続きです。

 
漆が乾いた後の最後の手入れです。
 
消粉を蒔いた後は、真綿で磨いて。

 

 

そして、金粉を蒔いたものも。

 

さあ、完成です。

 

ガラスの器も。

 

金の消粉を蒔いたもの。

 

もう一点。

 

それにしてもこの2点の作品。

とても個性的ですね。

作品に三重県伊賀市と英語で名前とともに記入されていますが、なかなか読みづらいです。

何とか読み解いて、作家さんを調べてみましよう。

 


川西から持ち帰った繕い品 その1

2019-09-19 17:25:45 | 多種類の繕い例

川西の繕い教室「器再楽」の時に依頼品として預かった品物の繕いです。

「画廊シャノワール」の佐野さんのお知り合いお二人です。
 
とても洒落た作品2点、どちらも口の部分が傷んでしまっています。

 

ベースの復元です。

右側には欠片がありました。

 

ベースの復元が終わりました。

水切れのいい形に配慮して。

 

もう一点は、取っ手がたくさん壊れていて。

こちらは陶器ですので、強力粉ではなく地の粉を使って。

 

4か所の貼付け部分です。

セロテープで保持して。

 

こんな風に接着完了です。

 

さあ、次のステップです。

黒艶漆を塗って。

 

そして、金粉を蒔きます。

依頼者が金粉にこだわっているそうです。

ところがいつもの丸粉の予備の置き場所が判らなくなって、仕方無く今回は消粉でトライです。

丸粉と違って、粉固めの処理が無いので後が楽ですが。

 

もう一点の繕いです。

 

こちらも、そういう事情で銀の消粉を蒔いて。

消粉では持ちが悪いようですが、その旨伝えて試してみてもいいですね。

 

それから、教室から持ち帰ったガラス器も同様に処理して。

反対側から銀が見えるように「新うるし」の本透明を使いました。

 

その2に続く。


川西での金繕い教室「器再楽」

2019-09-13 11:01:47 | 多種類の繕い例

昨日の川西での金繕い教室の「器再楽」の会の様子です。

 
新しい方が2名見えられて、8名の参加者でした。

 

どんな手順でこの日の教室を展開するか迷うところです。

 

とてもいいワイングラスを持参された方が居られたので、それからスタートです。

内側に欠けた部分があって、ガラスですので、修復した箇所が反対側からも見えるので、どうしますかねと投げかけて。

先ずは、「新うるし」の本透明を塗って、その上から金の消粉を蒔いて。

この後、その上から欠けた部分をアラルダイトで補填です。

次回にその仕上げとなります。

ちょっと難しい課題でしたね。

 

そして、前回丁寧にベースを仕上げたものに黒艶漆を塗って、錫粉を蒔きました。

錫粉は粉固めをしないので、後の処理が楽ですね。

 

大皿も同様に、錫粉で。

 

そして、うんと割れていたものをきれい修復できたものの仕上げですが、初めて参加された方の繕いがあり、時間が足りないので、この日はこの内側の処理だけにさせてもらって。

 

これも錫粉ですね。

そろそろご自分で仕上げてもらいたいのですが、きれいな細い線が書けないからと、私の方に回ってきます。

 

この日は3時間の枠でしたが、それでも時間を気にしないといけませんね。

初めての方は、欠けた食器をいくつか持参されていましたが、そのベース作りを。

いろんな作業を丁寧に説明してあげました。

 

この日は丹波の遠くから参加された男性メンバーが居られましたが、そろそろご自分で繕いが出来そうでしたね。嬉しいことです。

 

それから、この日は、シャノワールの佐野さんからお客さんからの繕いの依頼ですと3点のポットを預かりました。


友人からの依頼

2019-09-02 10:17:40 | 陶器の繕い例
次の繕いの依頼は、近所の私の幼なじみからのものです。
 
私の作った青銅釉の酒器です。
あちこち小さな欠けが出来ていました。
そのベース作りから。

 

ベースが固まって、手入れをした後、さあどういう仕上げにしようかと。

先ずは赤ロイロ漆の処理でどうかなと。

でも、やはり金属粉が欲しいなと、錫粉を蒔きました。

錫粉は粉固めをしないので容易ですね。

 

漆が渇いたころに、真綿で磨いて。

終了ですね。

 

この酒器の制作印を見ると、私が愛用している同様の酒器と同じころの1912年7月でした。

この酒器には「問学無方」という文字が甲骨文字で入っています。

 

それに刺激されて、いつも立ち呑みに持参して大変な状態になっている私の酒器の手入れをしてあげました。

これは銀粉をしっかり蒔いていますので、鯛の牙で磨き直して。

それにしても年季が入っていますね。

1912年3月の制作です。

文字は、「霊雨東鄙」です。

東北大震災の一年後の作品なんです。