金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

川西での「器再楽」の様子 その2

2020-09-26 20:49:49 | 金繕い教室「器再楽」

川西パレットでの金繕い教室「器再楽」の様子の続きです。

 
後半の部には新しい方がお一人加わって。

 

繕いの内容はまた全くいろいろですね。

 

磁器には強力粉、陶器には地の子をアラルダイトに混ぜて、ベース作りです。

 

初参加の方が持ってこられた繕い品。

欠けた部分が4か所ありますが、なかなかいい感じの品物ですね。

 

前回までにベースの修復を終えた抹茶茶碗。

 

釉薬の色と合っているので、艶黒漆を施すだけでいいですね。

 

そして、欠けた部分が1か所と亀裂がたくさん入った相当使い込まれた蕎麦猪口。

錫粉を蒔いて。

 

この徳利は、こんな風に漆を塗った後、金の丸粉(3号)を蒔きました。

この方も世話人のお一人で、金粉はお分けしてあげているもので。

こだわりの品物のようですね。

 

このきれいな小皿、2枚ありましたが、世話人をしてくださっている方のものですが、ほとんど器を壊すことがないそうで、わざわざ割って修復の体験をされています。

仕上げは錫粉で。

 

今回は2グループに分かれて、私は1時から5時半ころまでの長時間にわたる教室で、大変疲れました。

次回から、大きな部屋を確保してもらっています。


川西での「器再楽」の様子 その1

2020-09-25 17:38:53 | 金繕い教室「器再楽」
昨日の川西パレットでの金繕い教室「器再楽」の様子です。
今回は会場が狭い教室でしたので、2グループに分けての実施でした。
 
前半は6名、後半は5名の参加者でした。
 
先ずは前半の様子から。
 
磁器の繕いでは漆の接着力が弱いので、やすり掛けをする方法を披露しました。
参考にしている図書から学んでです。

 

ひびの入った部分でも。

 

そして、前回にベースができているものに、艶黒漆を塗って。

 

この器、ご自分でつくられたもので仕上がりがいいので、銀の丸粉(3号)を蒔いて。

 

この焼き締めの器も他の人ですが、ご自分の作品。

ほんの少しひびが入っています。

これも銀の丸粉を蒔いて。

 

これはお父さんの形見だと。

いい仕上げにしないといけませんね。

 

壊れていた取っ手の部分の仕上げですね。

 

これは錫粉を蒔いて。

 

真っ二つに割れてしまった蓋ですが、仕上げは艶黒漆と錫粉で。

こんな細い線も、そろそろご自分でトライしてほしいですね。

 

この器の持ち主の方、頂いたという金粉を持ってこられたので、使ってみました。

表示がないのですが、絵画用のようで、漆の上の乗り具合から、多分消し粉でしょうねと。

 
2時間にわたる前半の部を終えて、ぐっと疲れてしまって。
 
その2に続く。

川西での「器再楽」の様子

2020-09-11 12:24:57 | 金繕い教室「器再楽」

昨日は川西パレットでの金繕い教室「器再楽」でした。

 
今回から、世話人の方が広い教室を手配してくださいました。
参加者は8名と、久しぶりに多くで。

 

繕いを終えた九谷焼の大皿も、皆さんに見ていただいて。

依頼者に大層喜んでいただきました。

「金粉でなくて、銀粉の方が絵柄によく似あっている」と皆さん。

 

さあ、スタートです。

この漆器の傷んだ部分には赤呂色漆を施して。

 

特に傷んだ部分には、木粉をアラルダイトに混ぜたものを使って。

次回に、漆を塗ります。

 

欠けた磁器には、強力粉を混ぜたもので。

 

焼き締めの作品にわずかなひびが入っていて。

陶芸をされている方も多くて、これもご自分の作品だそうです。

器をトーチで熱してから。

 

接着剤が入りましたね。

 

この鉢も、亀裂の入った部分を部分を熱くして、アラルダイトを注入して、そのあと欠けた部分を埋める処理をして。

 

相当使い込まれたそばちょこ。

欠けた部分とひび割れ、そこにも細かなひびが。

これも同じやり方で。

 

そして、次の段階の作品。

前回までにベースができています。

漆を塗って錫粉を蒔きます。

 

前回に接着を終えた茶碗、面相筆で細い線を引いて。

 

右側の角皿は欠けた部分と、大きく割れた部分がありますが、これも漆でラインを入れて。

 

全て錫粉を蒔くやり方ばかりですね。

後の処理が、真綿を使ってきれいにするだけで楽ですからね。

 

途中で、部屋の利用などについて、皆さん相談もされて。

 

沢山の品物、ご自分でもかなり作業ができるようになってきましたが、私はあっという間の3時間弱の作業。

このあと、皆さんと一緒に後片付けで大忙しですね。


川西で依頼された大皿の繕い その4

2020-09-09 11:08:03 | 磁器の繕い例

九谷焼の大皿、いよいよ仕上げですね。

 
艶黒漆に銀の丸粉(3号)を蒔いてから漆の乾燥を終えて、次は生漆をテレピンで薄めたものを塗る粉固めの作業です。
これを3回繰り返して。
筆を使うとそのあとの洗いの作業が面倒なので、最近は綿棒を使ったりしています。

 

そして、次は磨きの作業です。
粉固めで余分な漆が付いてしまっているの部分もあるので、まずは水ペーパーできれいにして。

 

そして、石粉を使って繕い箇所を磨きます。

指先でしっかりと磨くようにと鹿田漆芸店で教えてもらったのですが、今回は繕い箇所が多いので、キムワイプのペーパーを使って。

 

そして、最後の仕上げは鯛の牙(たいき)を使ってです。

しっかりと銀が輝いてきます。

 

さあ、ようやく完成です。

 

アップで。

 

裏側です。

 

こんな大きな皿で、しかも大破した品物。
初めての経験ですね。
何日もかかって。
 
明日の川西での金繕い教室の「器再楽」に、依頼者が参加されるとのこと。
早速持参して、他のメンバーにも仕上がりの状態を観てもらいましょう。

川西で依頼された大皿の繕い その3

2020-09-08 11:20:37 | 磁器の繕い例

ベースの繕いを終えた九谷焼の大皿、次の段階です。

 
先ずは弁柄漆の処理です。
手順は裏側から始めるほうが無難ですね。

 

そして、表側に。

 

接着面に少しズレができてしまっていますので、必要な個所により細い面相筆を使って弁柄漆を塗り重ねて。

 

漆が乾いてから、次は艶黒漆を上から塗って、銀の丸粉(3号)を蒔く工程です。

丸粉は金を使うか銀を使うか、依頼者と事前に相談していたのですが、念のため、電話で確認して。

とても大きな繕いですので、どれだけ丸粉が必要か判らないので、蒔き粉に使う金粉だとグラム当たり1万円を超えている現状ですので、銀粉がいいでしょうと念を押して作業スタートです。

 

裏側からスタート。

 

4か所ほどに分けて、銀粉を蒔くまでの作業を進めました。

銀粉は1包装に4gの量がありますが、金粉だと1gだけですので、作業はとても難しいですね。

 

裏側の銀粉蒔きの作業終了。

 

続いて、表側です。

表側は、より丁寧な処理が必要ですね。

 

同様に何か所かに分けて作業を進めて。

 

表側も終了ですね。

その4に続く。