金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

ギャラリーのオーナーからの繕い その2

2016-05-29 15:49:17 | 磁器の繕い例
「武庫之荘美術の会展」開催中の武庫之荘駅北の「ギャラリーR」オーナーから次の繕い依頼です。

ノリタケの磁器皿、1箇所欠けていました。

アラルダイトと地の粉でベースの復元です。


1日置いた後、ミニヤスリなどで形を整えて。


黒艶漆を塗ります。




そして、金粉の丸粉(3号)を蒔いていきます。
金粉が漆の中に沈んでいきますので、何回か繰り返して、たっぷりと。
余分な金粉を戻して。
この後ムロの中で2,3日漆を乾かして。
この品物なら濡れ雑巾を入れたビニール袋の中で十分です。


乾燥後、金粉固めの工程です。
生漆をテレピンで薄めたものを塗って、ふき取って、再度乾燥です。
この乾燥は1日でOKですね。


仕上げの工程です。
先ずは木綿布でしっかりと磨いて。


その後、鯛の牙で磨きます。


完了です。


こんなお皿でした。
まだ依頼したい繕い品があるとのことですので、続きがありますね。

ギャラリーのオーナーからの繕い その1

2016-05-29 15:35:41 | 磁器の繕い例
5月中旬から始まった「武庫之荘美術の会展」、その「ギャラリーR」のオーナーから金繕いを依頼されていました。

会展が始まるまででいいので、急がずに作業を進めました。

こんな風に欠けていました。
磁器ですので、アラルダイトと小麦粉を使ってベースの修復です。


ベースができた後は黒艶漆を塗って。


そして、丸粉の金粉(3号)をしっかりと蒔いて。


ムロの中で漆を乾燥させた後、生漆とテレピンを使っての粉固めの工程です。


粉固めの漆も乾燥して、鯛の牙で磨いて終了です。
繕った箇所をベース作りの時などに水ペーパーでも磨いたので、周りの上絵が少し消えてしまいましたね。
難しいところですね。


それで、繕い箇所の面が大きいので単純になってしまいますので、もう一工程チャレンジしてみました。

今度は「新うるし」の本透明漆を使って、消えた上絵の部分にも面相筆で漆を入れて。


そして、消粉の金粉を蒔いて。


繕いの箇所の周りにも金の模様が入りました。
さあ、どうでしょうか。
初めての試みですが、いいですね。


アップで。

丹文窯の作品の繕い その2

2016-05-01 18:33:56 | 陶器の繕い例
銀を使った繕いが完了して、次は飾り板作りです。

繕いをした作品も2点ありますが、この6点を飾り板にします。
分厚い赤いお皿は少しひびが入っています。
他のお皿は少し歪みがあって。


板を作品に合う大きさに切断して、それぞれの作品に合う和紙を選んで台板を拵えて。
作品をアラルダイトで接着してあります。
どうでしょうか。
和紙の選択には妻の意見も聴いております。


裏側にはこんな金具を4か所取り付けていますので、天地左右好きな向きで飾って楽しめるようにしています。


皿として使うこれらの作品と合わせて、早めに郵送しました。
ド派手でユニークな大西雅文さんの作品は、とても人気があります。
これらの繕いの作品も、「春ものがたり」でのお客さんたちに気に入ってもらえればいいのですがね。


丹文窯の作品の繕い その1

2016-05-01 18:17:13 | 陶器の繕い例
4月の29日からいよいよ今年の丹波焼の「春ものがたり」がスタートします。

これまでもそうですが、それで丹文窯の大西雅文さんのトラブルのある作品を沢山預って金繕いと飾り板の制作を請け負っています。

預った作品です。1か月ほど前でした。
綺麗に洗って、先ずは乾燥中です。
亀裂もたくさん入っていますね。


繕いの必要なものを選び出して、アラルダイトと地の粉で亀裂部分を埋めてあります。


これは、きちんと立つようにさらに3か所に脚を付けています。


続いて、黒艶漆を塗る段階です。


そして、銀の丸粉(3号)をタップリと蒔いていきます。


二日ほど漆を乾燥させた後、さらに粉固めの処理。
生漆をテレピンで薄めたものを上に塗ります。


今回の漆の乾燥は発泡スチロールと濡れぞうきんを使っています。


漆の乾燥が終わりました。


木綿でしっかりと磨いた後、鯛の牙での仕上げです。


すべて完了しました。
銀繕いの完成ですね。



その2に続く。