金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

11月の川西での金繕い教室の2回目

2017-11-25 15:53:48 | 漆器の繕い例
11月23日(木)の川西での金繕い教室の2回目です。

なんと、風邪を引いたり、来客があったりで、祝日だったせいもあって都合の悪い人が続出で、参加者は画廊シャノワールのオーナーお一人。
事前に分かっていたら、お休みにしたのにね。

それで、マンツーマンの内容でした。

私は手が使えないので、口で指導するだけですが。

これは70年もの歴史のある塗り物だと。
この足の部分が壊れていたのを前回にアラルダイトで接着しています。
壊れていた部分に、弁柄漆と黒艶漆を塗って仕上げです。


ところどころ、傷がありますが、目立たないようになりますね。
漆の塗りもいい品物なんでしょうね。


これはとても薄いお皿。
割れ目が入っていたのですが、アラルダイトで接着済みです。
面相筆で、きれいなラインを引きたいところですが、本人に頑張ってもらうしかありません。


そして、金の消し粉を蒔いて貰って。
ちょっと太めのラインですが。


それからもう一つブローチの欠けた部分に黒艶漆を塗ってもらい。

この日は、漆の品物ばかり3点がほぼ仕上がりですね。
このあと、ビニール袋に入れて湿気のある状態を保って、3日ほど漆の乾燥です。


最後に、本漆を使った筆の後始末についても、テレピンとアルコールできれいにした後、サラダ油を塗るところまでしっかりと体験してもらいました。
オーナー、いい勉強になったことでしょう。

いい品物を沢山お持ちの家柄。
ご高齢のオーナーではなく、「それらを引き継ぐ娘さんに是非金繕いの技を習得してもらいたいですね」と言ってしまいました(笑)。

次回は1月の後半に2回。

私の右手は、今日もレントゲンを撮ってもらい、「いい具合ですが、3カ月ほどかかりますよ」と主治医に言われました。大変だな。


価値観が少し変わっての繕い

2017-11-25 15:48:08 | 陶器の繕い例
京都の鹿田漆店で教えてもらった金繕いを特集した茶道の雑誌「なごみ」を読んで、金繕いの価値観が少し変わった私。
(その時の記事です。次の2点の写真もアップしています。
http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061392/p11679366c.html)

「酒酔人」という文字を彫り込んだ青銅釉の私の酒器の作品。
焼成中に倒れるというトラブルがあったもの。

その作品が面白く思えてきて。
釉薬が流れて濃くなったところを「酒の滝」とみて。
銘を「酒酔人に酒の滝」としたのでした。


そして、次はさらに面白くするちょっとした金繕いです。
「酒の滝」の流れの中心部分に漆を塗って、金の消粉を蒔いて。


こんな作品となりました。
さあ、どうでしょうか。

金繕い、これからはもっともっと自由な発想で取り組みましょう。



続・繕いの依頼のその後

2017-11-25 15:39:01 | 多種類の繕い例
仕上がりが少し気になっていた依頼されている繕い品2点。
右手が使えなくてもなんとかやってみようと。

まず、この磁器の鉢。

「新うるし」の本透明を接着部分に細い筆で施して。
左手ではむずかしいですが、なんとか。


見た感じは変わりませんが、長く使っていても、汚れのラインが出なくなると思います。


そして、花器のほうは。
アラルダイトに地の粉を加えたものを、気になるところに再度埋める修正作業です。


この作業は、左手でもそんなに難しくないですね。


出来上がりました。
貼りつけた部分ががほとんど判らなくなりましたね。
さあ、これで引き渡せますね。




依頼の繕いのその後

2017-11-20 13:42:01 | 多種類の繕い例
テープで固定していた繕い品。
そのテープをはがして様子を見ると。

少しずれができていて、このあと余分の接着剤を削り取ります。


こちらの花器は少しずれが大きめですね。
気になっていたので、妻に頑張ってずれができないようにと口うるさくそばで声掛けしたのでしたが、難しいものなんです。
接着剤をきれいに削るとどんな感じになるでしょうかね。


引き続き、妻に手入れをしてもらって。
でも、まだ不十分なので、私も左手でですが、手を加えて。



なんとか仕上がりました。
依頼された方の希望内容には十分ですが。


接合部分に漆の処理が必要かどうかですね。
その部分が汚れがついてきたら、漂白処理をしてもらえばいいのですが。


裏側は気にならないでしょうけど。


花器の方は、「新うるし」の色合わせをしたものを亀裂部分に入れてもらったのですが。
できれば、埋めたいところですが。



どちらも迷うところです。
妻にこれ以上頼めないし。
左手でトライしてみましょうか。
とりあえず、依頼された方の意向も確認しましょうか。


こんな時に繕いの依頼

2017-11-20 13:22:27 | 多種類の繕い例
伊丹クラフトフェアーの時に伊丹市野間在住の帽子作家さんから繕いの依頼を受けていました。
最終日の撤収時に作品を預かるお約束をして。

その最終日に私の右腕をみて、「あら、大変。いつまでかかってもいいですよ」と。

こんな品物です。

ご本人がとても気に入って使っていたという鉢が真っ二つに。
繕いの手法は、できるだけ目立たない方がいいとのこと。


それとこんなものもあってと、もう一点です。
変わった形の花器ですね。
これは捨てようかと思っていたとか。
とんでもない!
面白い花器ですよね。


撤収に同伴してくれた娘たちに持ち帰ってもらって。

繕いは妻に依頼して。
さあ、スタートです。

割れ目に汚れが少しあったので、漂白処理をしてからアラルダイトのみでの接着です。
後の処理がやっかいなので、余り付け過ぎないようにと横からアドバイス。


ずれないようにしながら、しっかり接着するように口うるさく。


次の花器にも取り掛かってもらって。
この花器も目立たない繕いでと、頼まれています。


アラルダイトのみで、ずれないように。
見ているだけで手が出せないのがはがゆいですが、仕方がありませんね。


この状態で一日置きましょう。