金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

川西での「器再楽」の様子

2022-05-30 17:34:43 | 金繕い教室「器再楽」

先週の木曜日の川西パレットでの金繕い教室「器再楽」の様子です。

 
教室が始まる前に丹波市から参加してくださっている陶芸グループで指導をされている男性メンバーの妹尾さんが、繕い用にたくさんの品物を持ってきてくださいました。
 
じゃんけんで貰うものを決めて。

 

さあ、スタートです。

この日の参加者は7名。

 

今回も繕うものがたくさんありますね。

 

先ずはルーターで整形するものから。

 

そして、次はひび(にゅう)の入った部分に接着剤を注入することから。

 

この日持ち込まれたもので、ちょっと難しいなと思案した品物。

ガラス製品で、葉っぱが1枚大きく割れてしまっています。

その破片がないので。「うーん」と。

 

参加者がその様子を熱心に観てくれています。

 

結局、薄いプラスチック板をうまく利用して、接着剤を流し込みました。

 

こんな形で接着剤が固まるまで、いい姿勢を保持してあげてもらって。

 

そして、前回までの品物の仕上げを。

口のあたりを磨きすぎたので、またゴールドの錫粉を蒔いて。

 

私は漆を面相筆で塗る作業で忙しくて。

 

参加メンバーに錫粉を蒔く作業をしていただいて。

 

この日もあっという間に3時間の教室が終わってしまいました。

参加されている皆さんの笑顔が、とても楽しそうでいいですね。

 

次回は、6月9日ですね。

 


次の繕いの依頼 その2

2022-05-29 13:32:55 | 多種類の繕い例
ベースが仕上がった7点の繕い品の続きです。
どれも2つのギャラリのオーナーからの依頼で、いい仕上げでと。
 
黒艶漆使って。

 

これは蝋燭立てで銀紛(丸粉)でいいとのことで。

 

この小さな器は金の消し粉処理でいいかなと。

 

その他は金の丸粉(3号)を蒔いて。

 

金属粉を蒔いた後は、湿気のあるムロで漆を乾燥させるのですが、わたしはムロを持っていないので、段ボール箱に濡れ雑巾を置いての乾燥です。

 

二日ほど乾燥させた後、丸粉を使った器は、生漆をテレビんでうんと薄めたものでの粉固めの処理です。

またムロに入れて乾燥させる作業を2、3回繰り返して。

 

そして、仕上げに鯛の牙(たいき)での磨きです。

 

消し粉はこの過程は無しです。

 

お二人から依頼のあった7点、さあ、仕上がりました。

ガラスのワイングラスもうまく仕上がりました。

 

先端が割れていたこの急須もとても水切れがいいです。

 
私はほぼボランティアとして、また腕を上げるためにいろんな繕い品に取り組んでいますので、費用はとてもお安いので喜んでいただいています。


 
 

次の繕いの依頼 その1

2022-05-25 16:11:40 | 多種類の繕い例

うんと沢山の繕いの依頼品が仕上がった後、次の繕いの依頼です。

 
川西の金繕い教室「器再楽」で「画廊シャノワール」のオーナーが知人から依頼された品物も預かっており、次の教室で2点の追加もあり3点となり、今回新たに「武庫之荘ギャラリーR」のオーナーから4点の依頼です。
いい器ですので、全ていい仕上げでとの依頼です。
 
今回の依頼品4点。

 

ワイングラスの欠けた部分、ガラス製品の繕いは裏側から見えるので難しいです。

 

裏側からの見栄えが良くなるように、「新うるし」の本透明を塗った後金の消し粉を蒔いて。

 

他の器の割れた部分の接着とベース作りです。

 

ワイングラスの欠けた部分にも接着剤を処理して。

4点はこんな具合です。

接着剤が固まるまで、二日ほどかけて。

ワイングラスの修復部分をヤスリや水ペーパーできれいに整えて。

 

これは蠟燭を立てる器なんでしょうね。

はみ出た接着剤を剃刀の刃できれいにして。

 

この器何を入れるものなんでしょうかね。

これも水ペーパーできれいにして。

 

川西の教室で依頼された2点です。

急須の注ぎ口が壊れてしまっていますが、大丈夫です、直せます。

預かっているもう一点はマイセンのマグカップですが、すでに修復に取り掛かっています。

 

壊れた個所に薄いプラスチック板を裏側から当てて接着剤を固化させるのです。

 

接着を終えた蝋燭立ての欠けた部分です。

 

こんな姿勢で、接着剤が固まるまで様子見です。

 

これは接着した部分にまだ隙間があるので、接着剤を追加ですね。

 

そして、接着剤がしっかりと固まった後の手入れです。

急須の注ぎ口、大切な個所ですから、ミニルーターも使ってきれいにベースを整えます。

続きます。

うんとたくさんの繕いの依頼 その2

2022-05-18 14:35:14 | 多種類の繕い例

うんと沢山の繕い品の依頼をされて、ほぼ完成です。

 
依頼されたのは15点、他に川西の教室で依頼されたマグカップと私の家の器が1点ずつあって、17点の繕いの様子です。

 

最初に段取りを考えて。

数がとても多いので、仕上げは錫粉を施すことにして。

 
このうち3点、「新うるし」で処理することにしました。
この黄色い長皿、傷んでいる箇所が2か所ありますが、食品を載せない端なので、同じ色の黄色の「新うるし」で。

 

そして、磁器の2点、すでにきれいに接着されていたので、その接着部分に白の「新うるし」を施して、乾燥後に長皿も一緒に「新うるし」の本透明を上塗りして、完成です。

 

続いて他の繕い品の、ひび(にゅう)のあるものには、接着剤を浸み込ませて。

そして、欠けのある大半の器のベース作りからスタートです。

 

まず私の家のものから。

 

ベースが固まったふあとは、ミニルーターややすりなどを使ってきれいにして(省略しますが)。

 

続いて、漆塗りです。

金属粉を蒔かないものからスタートです。

本漆の白は少し黄色味を帯びてくるので、この器はこれでいいでしょう。

 

この器には、ロイロ漆で。

 

これは白と混ぜて。

 

他のものはすべて漆を処理した後、錫粉を蒔いて。

こんな段ボール箱に、濡れタオルを入れてムロがわりで、漆を乾燥させます。

 

3日ほど置いて、漆が十分乾燥した後、繕い箇所のラインをカッターナイフできれいにして。

錫粉を蒔いた多くの品物、繕い箇所に「新うるし」の本透明を塗り重ねて、補強しておきました。

 

川西の教室で依頼されたマグカップは、いい仕上げを希望されていますので、全く違う手法で、後程に。

 


川西での「器再楽」の様子

2022-05-14 11:00:37 | 金繕い教室「器再楽」

一昨日の川西パレットでの金繕い教室「器再楽」の様子です。

雨天にもかかわらず7名の方が参加してくださって。
 
さあ、この日もたくさんの繕い品です。

 

どこをどのように修理するかをご本人に確認して。

 

隣の席では、ミニルーターをご自分で使っていただいてベースの整形です。

ご婦人方、帰宅後も忙しいので、ベースの仕上げの手入れができないままの場合が多いですね。

この日はこんな文鎮も。

真っ二つに割れてしまっていますが、繕いは簡単ですね。

 

接着剤でしっかりとくっつけて。

 

最後にテープで固定して、あとは持ち帰っての手入れで。

 

これも珍しい。

串の1か所が折れてしまっています。

そして長いほうは下の方の漆の艶が無くなってしまっています。

それは新うるしの本透明の処理をして。

 

折れた部分、接着だけでOKでしょうかね。

様子見ですね。

 

この後は黒艶漆を使っての細かな線引き。

なかなかご自分では難しいようで、私とに任せられて。

 

この日は錫紛蒔きはすべてご本人にしていただいて。

 

このお皿、陶芸仲間から頂いたものらしいですが、ひび割れの入った部分を早めにラピッドタイプの接着剤で補填して、帰る前に金の消し粉を蒔いてあげました。

 

この日もたくさんの繕い品があって、私は写真も自分で撮れずに、あっという間に3時間の教室が終了でしたね。