金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

張り子の虎の修理

2021-12-31 17:06:28 | その他の繕い例

玄関から入ったところの正月の飾りを用意していて、妻が昔々のこどもの日に買った虎の張り子を見つけて持ち出してきました。

 
ところがずいぶん傷んでいました。
はめ込み式の尻尾の傷みが一番ひどく、他にも、口のひげの部分、耳、脚にも傷んだところが。
「直せます?」と聞かれて、何とかトライしてみるよと。

 

脚のへこんだ部分に綿を詰め込んで。

 

尻尾の壊れた部分に紙を貼り付けて。

さらにテープも貼り付けて。

これで補強されるはず。

 

補強した部分にキムワイプのも貼り付けて。

 
そして、最後に絵の具で色付けして仕上げです。

 
終了です。
これも何とか元旦に間に合いましたね。


次の繕いの依頼

2021-12-20 12:00:41 | 磁器の繕い例
次の繕いの依頼は、妻の従妹からです。
少し欠けた部分がある磁器2点です。

 
さあ、スタートです。
エポキシの接着剤に小麦粉を混ぜたものでベース作りです。

 
接着剤が乾いたら、ヤスリなどできれいに整形です。

 

水ペーパーも使って。

 

そして、黒艶漆を塗って。

 

銀の丸粉(3号)を蒔いて。

丸粉は塗られた漆の部分を沈んでいくので、何回も蒔いて。

 

さあ、いいですかね。

このあと、漆を乾かして。

今の時期気温が低いので、ホットカーペットの上がいいですね。

ビニール袋に濡れたペーパーを入れて。

漆が乾いた後、生漆をテレピンでうんと薄めたもので粉固めの処理です。

写真を撮るのを忘れていますが。

それを3回繰り返して。

丸粉を使うととても日数がかかりますね。

 

そして、最後の工程の磨きです。

木綿でよく磨いた後、鯛の牙(たいき)で磨きます。

ピカッと光沢が出て。

 
仕上がりました。

 


片口の2度目の修理

2021-12-15 17:23:28 | 陶器の繕い例

私のお気に入りの自作の片口。

最近、鼻うがいの時に利用していたのですが、洗面台に転げて大破です。
 
何と2回目なんです。
前回はそれほどひどい割れ方ではなかったのですが、今回はひどいですね。
前回修理した箇所は割れてはいませんね。
さあ、大変です。

 

破片の数が多いので、接着剤はラピッドタイプを使って。

 

今回、修理の手順にミスがあって、残った破片が収まらず、難儀しましたね。

 

はめる破片をルーターで削って、何とか収まりました。

こんな初歩的なミスをしてしまうとは。

 

隙間ができたところもしっかりと埋めて。

 

この後いいタイミングで、剃刀刃できれいにして。

 

そして、仕上げは釉薬が黒いものなので、黒艶漆だけで、金属粉は蒔かずに。

 

仕上がりました。

もう洗面台の場所では、使わないようにします。


川西での「器再楽」の様子

2021-12-10 15:55:32 | 金繕い教室「器再楽」
昨日の川西パレットでの金繕い教室「器再楽」の様子です。
 
参加者は7名でした。

 

さあ、この日の私の課題ですね。

 

前回、仕上げを漆だけにした品物。

白漆がこんな色になっています。

周りの青い部分は黒艶漆でした。

このままでいいでしょうと私。

 

取っ手が壊れて無くなったカップ。

模様が可愛い品物ですが、取っ手を新たに作ることはとても難しいので、割れた部分をルーターで削ってもらって触り心地がいいようにしてもらいました。

あとで、汚れると嫌なので漆を塗って欲しいと。

それは次回に。

 

金粉(丸粉と平極)を使った品物。

生漆を使って、粉固めをしてあげて。

 

最近外に出していて壊してしまったという花器。

食器ではないので「新うるし」の白で仕上げてあげて。

 

前回ロイロ漆を塗ったお盆。

うんと黒くなってしまって。

 

本漆は色合いが変わってしまうので難しいですね。

「新うるし」で色合わせをして、修正です。

 

皆さん、いろんなものを持ってこられて、だいぶご自分でできるようになってきましたね。

 

画廊シャノワールのオーナーの佐野さん、ギャラリーと掛け持ちで大忙しで、自分ではせずに、私に傷んだ箇所に黒漆を塗ってと。

いろんなものをお持ちですね。

 

次回は1月13日で、今回は会費以外に特別に心づけのお金もいただいて、有難いですね。

少し前にも頂きましたね。


とても簡単な繕い

2021-12-08 12:13:55 | 磁器の繕い例

今回依頼を受けた金繕いは、コーヒーカップの取っ手が壊れたもの。

依頼者はご近所さん。
 
取っ手の壊れた部分にはご自分で修復された跡が見えます。
 
その上から接着剤に強力粉を混ぜたもので補強です。

 

こんな風に。

取っ手は強度がある方がいいので、仕上げはあまり削り取らずにおいて。

 

口辺にも小さな欠けた部分があって。

その内側にも、少し盛り上げておきました。

 

ベースが十分に固まった後、仕上げです。

小さな娘さんが使っているとのこと。

電子レンジも使いたいというので、金属粉は蒔かずに、「新うるし」の白を使うことにしました。

 

仕上がりです。

このカップの模様も地域の文化祭で自分で仕上げたものらしいです。

娘さん、喜んでくれるといいですね。

ご近所の方の簡単な繕いですので、費用は無料で。