金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

とても大きな作品の繕い依頼 その5

2020-12-31 13:55:39 | 磁器の繕い例
大きな花鉢の繕いが続いています。
 
接着剤のはみ出た部分などの補修が終わって、いよいよ漆を使う段階ですね。
 
食器ではないので、「新うるし」の白をまずは使うことに。
本漆の白だと、次第に色が黄色くなってしまいますので。

 

底の部分が終了です。

 

続いて側面を。

 

側面も終了しました。

 

そして、今度は内側です。

これはなかなか厄介です。

 

内側に白漆を施しながら、内側は金属粉を蒔かなくていいのではと。

この白漆を施した部分の上から、金属粉を蒔くために別の漆のラインをきれいに引くことは極めて困難ですので。

 

内側も終了です。

この後は、底の部分と外側に本漆を施して、銀の丸粉を蒔く工程です。

続きます。


とても大きな作品の繕い依頼 その4

2020-12-29 14:41:59 | 磁器の繕い例
とても大きな花鉢の繕いの続きです。
 
ズレや欠けた部分の補修の仕上げです。
 
固まった接着剤の余分な部分をそぎ落とす作業。
とても大変です。
何かいい道具がないかと試してみましたが、やはりこの両刃剃刀で作ったものが最適ですね。
でも、何時間もかかって、右手の指先に痛みが出て。
途中で作業の中断もありました。
 
先ずは底の部分から。
 
そして、外側の部分。
 

何とか、外側は綺麗になりました。

 

次は手が届きにくくて厄介な内側ですね。

この後、水漏れの有無を確認して。

少し漏れる箇所があって、底の補修を追加しました。

 

その補修箇所から再度スタートです。

 

先ずは剥がし終えた箇所を水ペーパーを使ってきれいにして。

 

そして、いよいよ内側に取り掛かりました。

外側と違って、とても大変です。

良く見えるように蛍光スタンドで光を当てながらです。

 

その内側もようやく仕上がりました。

さあ、次は漆や金属粉を使っての仕上げ作業ですね。

何を使うか、一応依頼者の希望は聞いていますが、ここまでの作業を終えて、よく考えてみましょう。

続く。


とても大きな作品の繕い依頼 その3

2020-12-28 13:50:27 | 磁器の繕い例
大きな花鉢の繕いの続きです。
 
全体の接着を終えて、外側のはみ出た接着剤を少し手入れした後の作業です。
 
ズレがあったり、欠けている部分がたくさんありますので、次はそれらの箇所の補填です。
エポキシの接着剤に小麦粉(強力粉)を混ぜたもので、補填していきます。

 

そして、はみ出た接着剤をできるだけ早めに取り除いて。

こんな状態に。

 

外側の手入れです。

結構欠けた部分があります。

 

そして、内側の手入れです。

内側はなかなか手入れが難しいですね。

余分な接着剤を取り除く作業も大変。

続きます。


川西での「器再楽」の様子

2020-12-25 13:49:10 | 金繕い教室「器再楽」

昨日は川西のパレットでの金繕い教室「器再楽」でした。

参加者は8名。
 
いつものようにこの日の繕い品を並べてもらって。

 

この日は、これまでベースを繕いが終わった品物がほとんどでしたね。
できるだけご本人に作業を体験したもらいたいと思っています。
 
この作品、これまでもいろいろ手を加えてもらっていますが、接着した箇所を赤ロイロ漆を塗ってもらって。
右側のカップは、また新たに破損したそうです。

 

この素敵な酒器、裏側の補修はご自分で終えられていますが、この真ん中の部分、細い線を引くのは難しいと私の出番。

 

この後、この日はこの方のお世話で希望者の銀の丸粉と錫粉を購入されたので、ご自分で銀の丸粉を蒔かれて。

 

ご自分で他の品物にも艶黒漆を塗って、丸粉の銀粉を蒔かれて。

 

このお皿、まだ接着剤が残っているよと手入れをしてあげて。
 
前回接着した箇所。
細い線は私にお願いと。
この後の錫粉を蒔く作業はご自分で。

 

備前焼の湯飲み。
この方、これまで漆にかぶれたことがあって、来年から自分で頑張ってみますが、今日はお願いと。

 

内側はよく見えなくて難しいですね。

 

この後は、ご自分で錫粉を蒔かれました。

金色をした錫紛、私が譲ったものだと。

この錫紛、金粉のようで確かにいい感じですね。

 

この摺り鉢、漆を塗って、錫粉を蒔かれましたが、まだ足らない部分がありますよと伝えてあげて。

 

ほとんどが錫粉で、とても便利ですから。

 

このコーヒーカップも私に任されて。

 

そして、この黒い角皿、細い線を丁寧に引いてあげて。
この角皿、わざわざ金属粉を蒔かなくて、このままでいいですよねと。

 

この日は年末のせいか、途中で帰らなくてはいけない方が多くて。

終了間際の様子です。

また、来年もよろしくねと。


とても大きな作品の繕い依頼 その2

2020-12-21 14:51:15 | 磁器の繕い例
大きな作品の繕いの続きです。
 
先ずは沢山の部品がある部分の復元です。

 

こんな形に。

 

底の部分との二つ。

 

本体の方はセロテープで止めてありました。

 

セロテープをはがしてみると大きく3つの部分に分かれますね。

 

最初には大きなヒビの入ったか所に接着剤をしみこませる作業です。

トーチで熱くして。

 

そして接着開始です。

 

底の部分も貼り付けて。

 

底の部品に続いて、部品を貼り付けが終わっている部分の貼り付けです。

 

あとはこの部品だけですね。

 

手順が良かったの、きちんとはめ込むことができて。

 

内側の様子です。

隙間が大きな部分もあって。

やはり大破した作品は難しいですね。

 

できるだけズレがなく接着できるように、こんなバンド絞めて一晩おいて。

 

翌日にすべてのテープを外して。

 

そのあと、剃刀刃を使って外側と内側のはみ出た接着剤をきれいに取り除く作業です。

この作業だけでも大変です。

欠けてしまったところもたくさんありますね。

まだまだ続く。