金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

まだ気になっている繕い

2016-02-25 16:46:30 | 陶器の繕い例
丹文窯さんから預かっているたくさんのトラブル作品。

繕いの必要なものは、すでに銀の丸粉での繕いを終えて、使い勝手なども試させていただいていますが、他にも少し気になるものがあって。

この3点です。


中央の作品の亀裂部分は裏側ですので、銀粉を蒔かずに、赤ロイロ漆を塗っただけで。
そして、左右の白い作品の釉の剥がれ部分には、白漆を塗りました。
白漆は、最近京都の漆屋さんで入手したもので、使うのは初めてです。


漆の乾燥ですが、今の時期は気温が低いので、こんな風にしています。
床暖房のカーペットの上に濡れぞうきんと一緒にビニール袋に入れて、一日以上置いて。


赤ロイロ漆は黒味を増して乾燥終了です。


白漆を使った部分、どんどん色が着いてきて、ほぼピンク色ですね。
濃く塗った部分はほぼ茶色になってしまいましたね。
やはり本漆は、色が変化しますので、白漆といえこんな色になりますね。
周りに釉薬の掛かっていない茶色の部分があるので不自然ではありませんが。


こちらもこんなピンク色に。
「新うるし」だと、色合わせは容易なんですが、食器にはあまり使いたくはありませんので。
釉の剥がれた部分、平らに整えた方がいいのかなとも気になっていますが、ここまでにしておきます。


それにしてもこの2点は、とてもいいですね。
安く譲ってもらうように丹文窯に頼んでみましょうかね。
大西雅文さんのご両親、特にお父さんの文博さんは「いいよあげるから持って帰り!」とすぐに仰るでしょうね。

たくさんの繕い その3

2016-02-22 15:49:46 | 陶器の繕い例
いよいよたくさんの繕いの最終段階です。

漆が乾燥した後の作業。
先ずは木綿でしっかりと繕い部分を磨いて。


こんな風に。
少し銀に艶が出てきます。


そして、鯛の牙で磨きます。
ここでピカッと光り出して。
磨く前に粉固めという処理を行う場合がありますが、今回は省略です。


銀粉による繕いが完了です。


他の作品もこんな具合に。


繕いを終えたすべての作品、全部で8点ですね。
陶板額に加工しないで、お皿として使った方がいいものもありますね。
来週に丹文窯に届けて相談ですが、なかなか本人とはお会いできずに、さてどうなるかな。


これで、年明けから大きな作品も含めて繕いの作業に追われていましたが、ようやく終了ですね。

さあ、ようやくこれから陶芸作品の制作に取り組みましょう。

たくさんの繕い その2

2016-02-22 15:37:47 | 陶器の繕い例
丹文窯から預かっているたくさんの繕いの作品です。

大きな亀裂の入っていた作品。
ベースが出来上がりました。


裏側の様子。
ミニルーターで仕上げています。


そして、次のステップです。
この作品の裏側にはロイロ漆を塗って。


他の作品には黒艶漆を塗っていきます。


こんな風に。



大きな亀裂の作品の表側にも黒艶漆を塗って。


黒艶漆の処理をした他の作品。
写真に写っていないものも含めて全部で8点ですね。


そして、この後黒艶漆を塗った部分に銀の丸粉を蒔いていきます。


他の作品にも、銀粉を蒔いて。
漆が乾燥するまで待ちます。


その3に続く。

たくさんの繕い その1

2016-02-22 15:31:20 | 陶器の繕い例
丹波立杭焼の丹文窯で預かっているトラブル作品、繕いが一応終了しました。

その様子をアップします。

このたくさんのトラブル作品。
こちらは、亀裂が入ったりしている作品で、繕い対象です。


そして、こちらは繕いが要らない作品。
例えば黒い釉薬の丸皿なんかは、歪みがあって、トラブル作品だと判断しているのでしょうね。
これらは、立杭焼の「春ものがたり」のイベント時に、サービス品として安売りをするもので、私もこれまで結構な数の作品をとても安く入手しています。
そして、それらを陶板額に加工して楽しんでいますが、その作業を最近私が請け負って、丹文窯のギャラリーに飾って販売するようになっているのです。

陶板額に加工してしまうにはもったいなすぎる作品もあって、今度、一度繕ったものを見てもらおうと思っています。

それから、いくつかのお皿は実際に試しに使って、その良さを実感しているところです。
大西雅文さんのこのド派手な作品、いいでしょう。
この長皿は、白い釉薬の剥がれがあって、ちょっと繕いが要りましたね。


最近、「たこ一」料理に使った時の様子です。
なかなかいいでしょう。
こんな皿、私も欲しいですね。


さて、繕いです。
これは角の部分に1箇所亀裂が。
アラルダイトと地の粉でのベースの修復ですね。


この皿も亀裂ですね。


この作業、大きな繕い作品と並行してやっていましたね。


これは、とても大きな亀裂が入っていますが、それを2回ぐらいの作業で埋めていきました。
これも繕い後にはとても使いやすいと思われる四方皿ですね。


その2に続く。

3つ目の大きな登り窯作品の繕い その3

2016-02-20 18:18:50 | 陶器の繕い例
今日はまたもや土曜日の雨で、山仕事は2週間連続で中止でした。

それで大きな作品の繕いの続きに取り組みました。

前回の2箇所の水漏れ部分は、アラルダイトで再処理しておきました。
その箇所をトーチで温めて、アラルダイトを入れこみます。
これは簡単なのにすご技なんですよ。
食器などのヒビが入った個所も簡単に直せるんです。

再度の水漏れ確認は最終段階に回して、いよいよ第3段階です。
ミニルーターで接着部分の手入れを行った後、「新うるし」を使っての色合わせです。
もう少し濃い茶色にしないといけませんね。


内側を終えた後、外側ですね。
この「新うるし」による色合わせも、ふき取りの仕上げをしながらです。


完成です。
内側の様子。


そして、底の部分と外側の様子です。
とても大きな作品ですので、おおざっぱな仕上げで十分でしょう。
「新うるし」の乾燥後、最後の水漏れチェックをして完了となります。
来週の日曜日に立杭の陶芸美術館でボランティアの会議がありますので、その時に届けましょう。