金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕い その5

2016-06-28 15:14:51 | 陶器の繕い例
フリーカップの繕いの続きです。

最後の仕上げで少しトラブルがあった2点です。

剥がれたところの再修理です。
繕う箇所をヤスリ掛けして漆の定着をよくします。


そして黒艶漆を再度施して。
このあと、金粉の蒔き直しです。


鯛の牙での磨きの最終段階です。


完了です。


内側も。


こんな仕上がりに。
これからはひびの補修にはヤスリでの処理をすることにしましよう。
いろいろ技が深まりますね。

さあ、届けましょうかね。

次の繕い その4

2016-06-28 15:11:48 | 磁器の繕い例
ノリタケのお皿類の繕いの完成品です。
この4枚。


個々に。
楕円皿です。
内側のライン、フリーハンドですので、線にムラがありますが、まあいい出来でしょうね。


深鉢です。外側に光り方が違う部分が繕った部分です。


ほとんど問題がなかったお皿。
ほんの少しだけ消し粉を蒔いた箇所が。


これは、繕い箇所がたくさんあった皿です。
光り方が違う部分、分かりますかね。
食器を焼成した当初の金彩の釉薬と、後から繕いで蒔いた消し粉の光り方は、当然違っています。


このお皿の全体の姿はこんな仕上がりです。
まあ、いい経験をさせてもらいましたね。


その5、陶器のフリーカップ(3点)の仕上げに続きます。

次の繕い その3

2016-06-28 14:56:52 | 磁器の繕い例
陶器のフリーカップ3点はまだ繕い中です。

他にも「ギャラリーR」のオーナーから預っているものが有ります。

この4点です。
ノリタケのいいお皿ですね。

少し前もこの食器、繕いをさせてもらいましたが、ほんの少し金のラインが薄いとか、傷が入って金の部分が無くなっているとか、今回のものはほとんど問題がないと思われるのですが、「なんとかしてください」と。
やはり気になるのでしょうね。


個々に状態です。
この楕円皿、内側の金のラインが薄くなっています。
でも、これは楕円のラインですのでロクロでは線が引けないので難しいですね。


この深鉢、ところどころ剥がれがあります。


この丸皿も少し金が薄くなっている部分が。


そして、これは「繕いの必要がないでしょう」と言ったのですがね。


預って1週間ほどして、ようやく取り掛かりました。
漆は弁柄漆を少し薄めて。
点々と赤い色が着いている部分です。


そして、すぐに金の消し粉を蒔いていきます。


こんな感じですね。
あと、しばらく放置してから、真綿で表面を整えます。


さて、楕円皿です。
半分ほど金が薄くなっていますので、フリーハンドで弁柄漆の線を引いていきました。


そして、金の消し粉を蒔いて。


真綿で表面を整えて。


翌日以降にナイフでラインを整えて終了です。
他の皿も同様の手入れをして。
1枚だけ手入れの箇所の多いものが有って、複数回の追加作業となりました。


その4では完成品を。


「ギャラリーR」のオーナーからの繕い依頼 その2

2016-06-10 18:39:34 | 陶器の繕い例
3点の陶器の繕いの続きです。

ベースが完了して、黒艶漆を塗って。


金の丸粉(3号)を蒔いて。


完了です。
このあと漆を乾かして、さらに生漆にテレピン油を混ぜたもので粉固めも終えて。


木綿でしっかりと磨いて。


そのあと鯛の牙で磨いたのですが、繕いの箇所がはがれてしまうトラブルが。
表側にも。


それで、ひびの箇所の繕いは再手入れとしました。
口辺に欠けた部分があるものの繕いはしっかりしています。
透明釉が掛かった艶のある部分は剥がれやすいようですね。
ひびの箇所に、もっと細いラインで漆のラインを入れないといけなかったかな。
こんなことは今までありませんでしたのに。


その3に続く。

「ギャラリーR」のオーナーからの次の繕い依頼 その1

2016-06-10 18:29:56 | 陶器の繕い例
武庫之荘駅北の「ギャラリーR」のオーナーからの次の依頼品です。
グループ展の作品搬出の時に預かったものです。

たくさんありますが、先ずは、陶器の繕いです。
ひび(にゅう)が入ったのが2点、2か所小さな欠けがあるのが1点です。

まずは、漂白剤のハイターで綺麗にして。


さあ、取り組みましょう。



こちらは、器を温めて、アラルダイトを注入します。


トーチで加熱したせいか、汚れがまだ浮いてきましたね。


こちらは地の粉を混ぜたもので、2か所ベースの復元です。


半日ぐらいして、アラルダイトがまだ完全に固まる前に、余分なものをそぎ落とします。
こんな風に剃刀刃を加工したものを使います。




そして、もう1点は完全に固まってから整形です。


その2に続く。