金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

最近の繕い その2

2014-11-18 12:21:37 | 磁器の繕い例
書道教室でお世話になっている廣瀬先生から依頼されたコーヒーカップ。
用事があって書道教室を欠席したので、この品物の事情は分からないが、職員が預かってくれていたもの。

こんな風に真っ二つになっている。


重ねてみると、少し欠けている部分もある。
このカップ、「其泉」で調べて九谷焼とわかった。
とてもきれいなもので、チョット高そうですね。


この写真ではよく分からないが、もう1箇所ニュウ(ひび)も入っている。


いつものようにアラルダイトで接着。
磁器なので、小麦粉を混ぜて。
もう1か所のニュウ(ひび)の部分も器をドライヤーで温めて、アラルダイトをしみこませてある。

この欠けた2か所の部分にもう一度、アラルダイトと小麦粉を混ぜたものをほんの少し置いて平らにして。


最後は「新うるし」で色合わせして完成です。
よく見ないと割れていたことは分からないですね。


内側も「新うるし」の白で。
どうでしょうか。
内側は、漆と銀の丸粉を使って仕上げた方がいいでしょうか。


そのあと、しばらくしてコーヒーを入れてみたらこの部分が目立つので、結局銀の丸粉を蒔きました。

最近の繕い その1

2014-11-18 12:09:58 | 磁器の繕い例
最近もいろんな繕いがある。

先ずは、近所の知人からの依頼。
茶道に使う水差しの蓋。

何かの接着剤で処理してあるが、とても拙い繕いだ。この状態で譲ってもらったとか。

先ずは、この処理された接着剤を剥がすことから。
ボイルし続けると剥がれてきた。


とても綺麗になってよかった。
ほとんど使われていないのか、とてもきれいな状態の品物だ。
そのあと、いつものアラルダイト処理。
今回、これは混ぜ物なしでアラルダイトだけで接着させる。


半日ほど乾かして、そのアラルダイトのはみ出た部分を剃刀でそぎ落とす。
そのタイミングがとても大事だ。
ゴムのような柔らかい段階で。


こんな風に綺麗に剥がれます。


その後、日を置いて黒漆での処理。


取っ手の部分も。


そして、銀粉を蒔く。
本漆を使う時は、消粉ではなく、丸粉とか平極とかの重いものを使う。
持ちが消粉とは全く違うのだ。



この後、2、3日置いて、いよいよ仕上げで最後にいつものように鯛の牙で磨いて完了だ。
消粉を使った場合、磨く処理なんてできない。

最初の拙い接着剤で処理されたものとは雲泥の差。
喜んでもらえるだろう。

近く地域の文化祭で繕いの会「器再楽(きさら)」のPRコーナーもあるので、その時の展示作品にさせてもらう予定である。

もう一つの繕い品

2014-11-18 12:02:20 | その他の繕い例
同じく陶芸教室「おとめ」のメンバーからの依頼品。

プラスチック製のカエルの置物。
繕うまでの間、私も楽しませてもらいました。


こんな風に壊れています。


繕いスタート。


この穴の復元の技が我ながらすごい。
ひび割れのずれの箇所が、平らにならないので、木片を強く当てて接着です。


ベース完了。


「新うるし」で色合わせ。
できました。


改めて可愛い仕草を見てあげて下さい。
同じようなカエルがもう2体あるそうです。
この依頼主、このカエルの置物をお手本にして、とてもいい陶芸作品を作られました。