融通無碍 翼を休めてみませんか

新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

「日の光が見えなくなった」

2015年10月02日 | 聖書のお話

「日の光が見えなくなった」 使徒言行録 13章1~12節

 アンテオキアから、聖霊によって第1回宣教旅行へと導き出されたバルナバとサウロは、キプロスに行きました。そこで、ユダヤ人の魔術師で、バルイエスという偽預言者に出会いました。彼は、ローマの地方総督であるセルギウス・パウルスという賢明な人と交際していたということです。魔術師というと、病気を治したり、不思議な業を行い、人々から支持を得ていた人ではないかと思われます。また、預言者というと、神さまの言葉を預かって、人々に伝える役割を与えられた人であると思われます。しかし、「偽」預言者と言われているところから、彼は、神さまから預かった言葉をそのまま伝えず、人間に都合の良い言葉に変えて語ってた人であったことが伝えられているように思います。このことから、バルイエスは、ローマの地方総督セルギウス・パウルスに取り入って、神さまの言葉と称して人間に都合の良い言葉を伝える、すなわち宗教を政治利用するような人ではなかったかと想像します。

 サウロは、聖霊によってバルイエスに対し、「お前は目が見えなくなって、時が来るまで日の光を見ないだろう。」と、裁きの言葉を伝えました。裁きの言葉というと、完全にやっつけるという受け止め方をされるのではないかと思います。けれども、目が見えなくなって、暗闇を体験させるのは、やっつけてしまうのではなく、暗闇の中で悔い改め、神さまに再び依り頼むチャンスを与えるものではないでしょうか。何より、サウロ自身も大いなる光に照らされて、目が見えなくなるという体験をしました。日の光が見えなくなるようにさせられるのは、突き放されるのではなく、悔い改めて再び神さまとの関係を回復するためのチャンスが与えられたということではないかと思います。

 


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