「平和は愛である」 マルコによる福音書 9章33~37節
政治家になろうとする人は、世の中を少しでも良くしたいという志を持っているものではないでしょうか。しかし、政治家になって権力を握り、大きな支持団体を得るようになると、世の中を良くしたいとするのではなく、自分を良くしたいとするようになり、それが政治を腐敗させる原因になっています。地盤とカバンを受け継ぐ世襲議員は、特にその傾向が強いように思われます。
イエスさんの弟子たちもまた、イエスさんが有名になるにつれ、やがて自分たちのうちで誰が一番偉いかと議論するようになりました。そんな弟子に向かって、イエスさんは「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりない。」と教えました。
私たちは、人に仕えることよりも、人に仕えてもらいたいという思いを持っています。その思いは、世の中を良くするのでなく、世の中を腐敗させる原因になっています。言い換えれば、人に仕えるという思いを忘れてしまったなら、人を愛せなくなり、平和も失われてしまうのです。イエスさんは、私たちを弱い存在である子どもに仕えさせ、子どもに寄り添い共に成長する喜びを味あわせることを通して、人を愛せるようになる道を示されました。