東海道新居宿の入り口にあった新居関所。江戸時代は箱根関所とともに入り鉄砲に出女を取り締まる関所として、東海道を行き交う旅人を監視していました。慶長年間に開設されましたが、地震で何度も移転をし、現在地に移ったのは宝永地震のあと1705年の事です。それ以来舞阪と新居の間を結ぶ渡船の船着場が関所前にあり、江戸から来た旅人は船を降りて関所を通過する形になりました。現在残っている建物は1854年の安政東海地震の後に建てられた建物で、江戸時代から現存する唯一の関所建築として公開されています。ちなみにこの新居関跡は国の特別史跡に指定されています。
この新居関所跡のすぐ後ろを東海道線や東海道新幹線が通っており、電車の中からも確認できます。もっとも新幹線は275km/hで通過してしまうので、一瞬の出来事ですが。
関所の新居宿側には門があり、当時の門を復元したものが建っています。その脇には高札場も復元され、江戸時代の旅の様子の一端を垣間見る事ができます。
そして関所から程近い場所には旅籠紀伊国屋があります。江戸時代の旅籠建築が残っており、当時の旅人が宿泊した部屋などが公開されています。おそらくこの旅籠を撮影に使ったのでしょう、水戸黄門のお銀さんの由美かおるさんの写真が置かれていました。この紀伊国屋は紀州藩の常宿だったらしく、紀州藩より紀伊国屋の称号を授かっているので、このような屋号になっているようです。ちなみに紀文の紀伊国屋文左衛門とは関係ないそうです。
こちらは旧東海道の通り。道の両側には宿場町の雰囲気が残っていました。
静岡県の掛川駅と新所原駅の間を浜名湖北部に走る第三セクター鉄道の天竜浜名湖鉄道の中心駅でもある天竜二俣駅。1940年の開業以来の瓦葺き屋根の木造駅舎が使われており、国の登録有形文化財に指定されています。
プラットホームも木造の上屋が残っており、昭和のローカル駅の雰囲気が存分に残っています。Nゲージ鉄道模型カトーが販売しているローカルホームそのものです。ちなみにこのホームも登録有形文化財に指定されています。
その古いホームには1両の軽快ディーゼルカーが到着。なんだかミスマッチな風景ですが、それもローカル駅のよいところです。ちょうど掛川行きと新所原行きの上下列車が並びました。
駅ばかりではなく、駅前にも雰囲気のあるたばこ屋さんが。趣のある建物に逆光もいとわず撮影してしまいました。