マイク・タイソンが全盛だった30年前 

 今から30年前の今日88年3月21日は統一世界ヘビー級王者のマイク
・タイソンが東京ドームでトニー・タップスを2RでKOしWBCタイトル
6度目の防衛に成功した。

 この年にオープンした東京ドームのこけら落としとして行われる
世界ヘビー級タイトルマッチだが、タイソン陣営は1ヶ月ほど前から
来日し準備を整えて臨んだ一戦はアメリカのゴールデンタイムに合
わせるスケジュールのため12:00にゴング。

 挑戦者タップスのダブついた下腹を見た時点で早く終わるだろう
という予想の中で、1Rは何とか持ちこたえたものの2Rには力の差が
ハッキリ見られ2:54でTKOとなる想定通りの内容だった。

 当時のタイソンは86年11月にトレバー・バービックを2Rで倒して
WBCタイトルを獲得すると、87年3月にジェームス・スミスに判定勝
ちしてWBAタイトルを吸収し更に8月にはIBF王者のトニー・タッカー
に判定勝ちして3団体を統一。

 そして10月にはロス五輪金メダリストのタイレル・ビッグスを7R
TKO勝ちすると、1月に元世界王者のラリー・ホームズを4Rで倒して
3月の来日防衛戦が決まったのだ。

 当初タイソンの試合はTV東京系でOAされており当時の福岡ではTV
東京系がなかったので見られなかったのが10月のビッグス戦は深夜
の録画中継ではあるもののフジ系で見る事ができたし、3月に来日す
るという事からホームズ戦は日本TV系が生中継したのでライブで見
られた。

 これを見るとタイソンがただ者ではない事が分かったしジョー・
フレイジャーの突進力とジョージ・フォアマンの破壊力を兼ね備えた
感じで、タップス戦は6月に予定されているマイケル・スピンクスと
の大一番への前哨戦という位置付けだった。

 そしてタップスを想定通りに快勝して6月のスピンクス戦に臨み、
僅か1Rで倒し無人の野を行く如くような強さだった事からジョー・
ルイスの持つ25回防衛の更新も…と思われたのだが最大のライバル
を屠って気が緩んだのかケガでの延期や拙戦を演じるようになって
しまう。

 それを考えると今から30年前の88年こそタイソンの全盛時だった
わけだから、その1試合を日本で見られた幸運に感謝するべきなのだ
ろう。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« 肌寒過ぎる春... 3人目のヒロイ... »
 
コメント
 
 
 
初期の「はじめの一歩」で (餃子少年)
2018-03-25 09:23:18
タイソンは何かと話のタネにされてましたね。でもアニメ化した頃は色々問題起こしてたからかアニメ版ではタイソン絡みの話はカットされてましたorz
 
 
 
そうなのですよね (こーじ)
2018-03-25 22:57:55
>餃子少年様
 当初の一歩のスタイルはタイソンでしたからね。
 やはり素行に問題があるとモデルから外されるのでしょうね。
 
 
 
史上最強のボクサー (わい)
2018-06-18 11:27:35
バービックvsタイソン戦は見ました。ツーリング先のBホテルで。
「強い男にガウンはいらない。」
とバスタオルに穴を開けただけのガウンもどきを被って現れ、豪語に違わずKO勝ち。
バービックは足にきて立ち上がれませんでした。
その後、あまりに強過ぎて早く試合が終わってしまい、せっかく高い観戦チケット代を払って見に来たファンを退屈させる弊害が。
今後、10年はタイソン政権が続くのかと思いきや、内部事情のゴタゴタや暴力沙汰、レイプ事件で服役するなどスポーツマンとしてあるまじき所業のオンパレード。

復帰したタイソン戦は今は亡き日本橋のニノミヤ(家電量販店)で。
対戦相手は白人選手で力の差は圧倒的でタオルが投げられKO。
セコンド側は
「あれ以上やると殺されてしまう。」
とタイソンの強さを最大級に表現していましたね。
今も伝説のKOアーチストとして語り継がれるタイソン。
もうリングに上がることはありませんが、未来永劫、偉大なチャンピオンとして輝き続けることでしょう。

余談ですが80年代、体操世界選手権で16歳で優勝したソ連のベロチェルチェフという選手がいました。
彼も今後10年間は王座に君臨するのではないかといわれていました。
天才ジムナストとして華々しいデビューを飾ったにもかかわらず、五輪出場はソウルのみ。
その後は交通事故に逢い両足骨折したり、チームメイトと酒を飲んで練習をサボり、代表から外されるなど早々とリタイヤ。

この二人、何だか似た感じがします。
 
 
 
懐かしい! (こーじ)
2018-06-18 22:02:28
>わい様
 デミトリ・ベロチェリチェフのデビューが83ブダペストで具志堅幸司を抑えて金メダルでしたね。

 ロスはボイコットでしたが翌年の神戸ユニバでも話題になってました。

 ソウルでは個人的に優勝候補筆頭と思っていたら意外にも銅メダルに終わり、以降出場しなかったのは酒に溺れたとの事で天才ゆえに持ち崩した感じではありました。

 やはり才能型の最大の敵は‘己’なのかもしれませんね。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。