貴景勝、勇気ある休場

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/sponichi/sports/sponichi-spngoo-20190704-0203

 

　新大関で迎えた先場所4日目の御嶽海戦で右膝の靭帯を痛め途中
休場していた大関の貴景勝が、ケガの回復遅れを理由に明後日から
始まる大相撲名古屋場所を休場するとの事。

　

　新大関の場所で途中休場した事から今場所は負け越すと大関陥落
となるカド番となっていたわけだから貴景勝自身は出場志願してい

たものの、師匠の千賀ノ浦親方は‘関取衆との稽古もできてない’と

いう事を明かし名古屋入り後も満足に稽古もできてない事から休場
を勧めていたとの事。

 

　今場所を全休する事で2場所連続負け越しという形になり大関を
陥落する形になったのだが、個人的には勇気ある決断だと思うのだ。

 

　力士にとって膝は体の中でも重要な部位で、ここを痛めると力が
半減するのは歴史を見ても明らかで最近でも琴欧州や把瑠都はコレ
を完治させずに大関を陥落しており照ノ富士も幕下以下に落ちてい
るのが現状だ。

 

　名古屋入りして満足に稽古ができておらず特に関取衆との稽古は
やってないとなると勝ち越すのも難しいだけでなく、痛めた膝を更

に痛めるリスクも高くなる。

　

　貴景勝の最終目標は横綱との事ならば、なおさら後遺症が出るよ
うなリスクは避けるべきだし仮に大関の座を守れても二桁勝てずに
勝ち越すのがやっとという状態に若くしてなる可能性もある。

　

　コンディションが悪い中で何とか8勝よりもコンディションを戻
して10勝する方が若い貴景勝にとっては重要な事だし実際ケガを
し途中休場したのを圧して一旦再出場したものの、全くいいところ

なく敗れて再休場したのを忘れてはいけないし師匠もそれを覚えて
いるからこその英断だろう。

 

　確かにケガを圧して頑張る姿は以前なら美徳といわれたのだが、

むしろ稀勢の里のように力士寿命を縮める事になるなど百害あって
一利なしなので一時の感情で強引に出場しても匹夫の勇に過ぎない。

 

　貴景勝に求められるのは悪コンディションを圧して出場する特攻
精神ではなく、じっくりケガを治しコンディションを戻して秋場所

に二桁勝利を挙げる勇気だと思うし説得した師匠は素晴らしいと思

う。