「カープ25年ぶりの優勝」をスポーツ新聞各紙はどう報じたのか?
今年のセ・リーグは9月10日にカープが25年ぶりのリーグ優勝を
果たした。
早速マスコミはカープをあらゆる面から持ち上げるのだが、個人
的に今年のカープがリーグ優勝できたマスコミが取り上げてない
理由を4つばかり挙げてみる。
その1:脱根性野球
カープといえば猛練習で選手を鍛え上げるというスタイルが有名で、
それが強さの源といわれてきたのだが反面96年にジャイアンツから
11、5ゲーム差を逆転されて3位に終わった例を見てもオーバーワーク
が原因としか思えないケガ人続出が影を落していた。
にも拘らず達川光男監督時代にヘッドコーチに就任した大下剛史が
‘ケガをするのは体力が無いからで、その体力を付けるために更なる
猛練習を'と語っていたように猛練習に対する信仰がケガ人続出に拍車
をかけていたように思える。
そんな中でスポーツ紙によれば緒方監督は選手との対話路線に改めた
という事だし、昨年までのエースだった前田健太が過度な投げ込みを
しないスタイルで結果を残してきたからか以前よりもオーバーワーク
度数が減りケガ人も減ったのではないか。
その2:カープのよさを熟知するベテランの重要性
カープは例年若手が活躍するチームというイメージが強い反面、ベテ
ラン選手がFA制度の影響もあって不在というケースがあった。
とはいえ前田智徳や現監督の緒方孝市らはカープで現役を終えている
のだが、復帰した黒田博樹や新井貴博はチームを一旦出ていた事からカ
ープのよさを再認識しているだろうし精神的支柱になれる存在だった。
車などのギアに例えれば若手選手は勢いに乗ると手が付けられなく
なるトップギアのようなものだが一方で勢いが止まると意外に脆いの
に対し、ベテラン選手はローギアのようなもので一旦勢いが止まった
チームを立て直せる存在だ。
日本のマスコミは若手が多いチームは褒めて持ち上げるが、ベテラン
の多いチームには冷淡なところがあるのでベテラン不在の弊害が語られ
ていない。
その3:脱・前田健太
昨年までは前田健太が絶対的エースとして君臨してきたのだが一方で
前田で負けた時のダメージは大きかったわけで、前田が抜けた事から投
手陣に みんなで盛り上げないといけないという自覚が芽生えたのでは
ないか。
それが投手陣に緊張感をもたらしただけでなく、打線にも援護の必要
性を再認識させたと思う。
その4:脱・外国人クリーンアップ
カープが優勝していた時は山本浩二や衣笠祥雄に水谷実雄、小早川
毅彦らの日本人の大砲がクリーンアップの2つを占めていたのだが近年
のカープは外国人頼みのような打線を組むケースが目立っていた。
ところが優勝を決めた試合では4番に新井が入るだけでなく5番に
鈴木誠也が入って2打席連続HRを放つなどの活躍を見せ、待望の若
手大砲が育った事を印象付けた。
昨年優勝したスワローズはバレンティン抜きでシーズンの殆どを過
ごしたわけだが、今年はバレンティンは健在だったものの昨年4番で
活躍した畠山や5番で効果的な打点を上げていた雄平らが不在で優勝
を逃したのを見るといかに和製クリーンアップが重要か分かるだろう。
外国人選手は必要ではあるものの打線の柱は日本人選手でないと、
継続した強さは保てないのではないか。