過度な減量信仰からの脱却を


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/ans/sports/ans-104606

 元WBCフライ級王者の比嘉大吾が今日行われた復帰戦でフィリ
ピンのジェイソン・ブエナオブラに6RTKO勝ちして再起を飾った。

 試合は53,98㌔の契約体重で行われ3Rに連打でダメージを与えて
ペースを掴み何度もロープに詰めて連打を浴びせ、6Rには右ボディ
ブローでダウンを奪うと更に連打を集めたところでレフェリースト
ップとなったようだ。

 比嘉は一昨年4月に行われた防衛戦で体重オーバーの失態でタイ
トルを剥奪された後に無期限の出場停止処分を受けていたのだが、
その再起戦はSバンタムの体重で行われたわけで改めて体重苦さえ
なければという感じになっている。

 比嘉は身長161㎝ではあるが筋肉質の体型だからフライ級のウェ
イトを作るのに難儀しており、一昨年4月のオーバーウェイトも成
るべくしてなった結果ともいえる。

 日本には過度な減量神話があり‘無駄な肉を削ぎ落して感覚を鋭
敏にする’‘キツイ減量に耐えられなくて強敵に勝てるわけがない’
‘ライオンは飢えているから力をより一層発揮できる’などのメリッ
トを強調していた。

 だからハンマーパンチャーと呼ばれた藤猛は日本でのデビューが
ミドルからJウエルター級に落として戦っていたわけで、ハンマー
パンチも厳しい減量と引き換えに得た力だった。

 しかし過度な減量は健康にも悪いしパワーも削ぎ落す結果になる
事が最近の井上尚弥の活躍などから見ても分かるわけで、以前なら
階級を上げる事に対する抵抗感があったのが最近は低くなっている
ので比嘉自身も階級を上げたがっていたようだ。

 一方で具志堅会長が2ヶ月のインターバルで防衛戦を行わせた事
に対する批判があるのだが、具志堅にしてみると試合間隔を短くす
れば過度な体重のリバウンドを抑えられると考えての事だったのだ
ろう。

 確かに今から40年前にタイトルを奪取した中島成雄はテスト減量
でJフライ級のリミットを作った後に、体重を戻さず最大で3㌔ほど
オーバーの状態で減量に入ってベストコンディションを作ったのが
印象深い。

 つまり試合間隔が短いと次の試合の事を考えてリバウンドも少な
めに抑えて試合に備えられるという感覚は悪くないし、ましてや2ヶ
月前の防衛戦では1Rで終わらせているのでなおさらだが問題は減量
幅が比嘉本人にとって限界に近かった事ではないか。

 つまり比嘉は減量が厳しいので階級を上げたいと訴えていたよう
だから、精神的に参っていたのだろうと思う。

 とりあえずバンタム級にランクされているのを考えるとバンタム
やSバンタムで世界を狙うというのが正解だろうし、今回の件で具志
堅が過度な減量の弊害を実感できるのならブランクも災い転じて福
になるのではないか。

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