これからの日本ラグビーに求められるもの

 発売時から重版が決まっていて手に入りづらかったスポーツグラ
フィックNumber臨時増刊号のラグビー特集・桜の凱歌が、ようやく
手に入った。

 日本代表がW杯の予選プールで戦った4試合の詳細を扱っており
読みごたえいるのだが個人的に大いに興味を持って読んだのは、最
後に掲載された岩渕健輔代表GMのコラムだ。

 この中で岩渕GMは今大会3勝を上げた充実感よりも、これから
先の危機感や焦燥感というもの。

 理由として今回W杯で上げた3勝はエディ・ジョーンズHCの下で
少数精鋭を鍛え上げるタスクフォース型で進めた結果で、年間120日
間もかけて代表合宿を行なうなど特殊な強化法の成果ではあるものの
毎回やる事は不可能だという事。

 更に日本代表が行った事は大会後に強豪国から摸倣される事は必至
だし、そうなれば日本のアドバンテージがなくなってしまうのも当然
である。

 考えてみればJリーグ発足する前まで日本の団体球技は1つのイベ
ントに向けて集中強化していくタスクフォース型ばかりで、メキシコ
五輪のサッカーやミュンヘン五輪の男子バレーなどターゲットにした
大会では結果を残すものの少数精鋭でやらざるを得ないためチームの
新陳代謝を妨げレベルの断層を作るという副作用があった。

 もっともアマチュア競技では長期的な展望などは能力的に厳しい
のでタスクフォース型で強化せざるをえなかったのだが、あらゆる
競技がプロ化されている現在はタスクフォース型で結果を残すのは
限界がある。

 タスクフォース型はデッドマール・クラマ―や松平康孝らと同様
エディ・ジョーンズというカリスマ指導者に任せればいいのだが、
未来永劫カリスマ指導者に任せるのは不可能だしマンネリも出て
来るのは当然で長続きはしない。 

 そこで問われるのが国内リーグの充実などを含めた業界の総合力
である、強化システムの見直しが重要だという事。

 日本ではサッカーがJリーグ発足からようやくプロとしての若年
層からの強化が5大会連続W杯出場という結果を残しているのだが、
他の競技以上にアマチュアリズムに拘ってきたラグビーにとっては
国内リーグの充実だけでなく若年層からの人材の掘り起こしなどハ
ードルは高く容易でない事が分かる。

 ただ岩渕を含めたラグビー界の現首脳部は20年前の145-17から
始まった地獄を知っているので2度と暗黒時代に戻ってはいけないと
いう強迫観念があるだろうから、それこそがラグビー界を変革する
モチベーションになるしエディジャパンの成功例を心の支えとして
W杯が開催される19年だけでなく以降もレベルアップに努めて欲しい
ものだ。

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