ゴジラは1分半で軍事基地を壊滅させる

　ゴジラは怪獣王と呼ばれ最強の怪獣というイメージがある。

　実際にモスラの双子の幼虫から負けた以外はキングコングとの戦いで引き
分けたぐらい。
　ガイガンやメガロにメカゴジラを倒しているし、パワーアップしたメカゴジラと
チタノザウルスのタッグにも単独で勝っているのだが、対怪獣となると具体的
なイメージが沸かないので単独で暴れていたので判断しないといけない。

　そのサンプルがキングコング対ゴジラの冒頭に登場するシーン。

　北極海の氷山の中で眠っていたゴジラが目覚めて最初に襲うのが国連の
原子力潜水艦・シーホーク号。
　そして氷山から復活しベーリング海を南下して日本に向かうのだが、途中
で通り道にあったと思われるソ連軍基地を襲撃している。

　このソ連軍基地は立派な滑走路があるし、対空砲のシステムも完璧そうだ。
　ゴジラが基地に接近すると まず基地に配備された対空砲のような装備で
迎え撃ち、10台以上の戦車隊もゴジラに向けて戦車砲の一斉射撃を浴び
せるのだがゴジラは 委細構わず上陸。

　まず口から発射する熱線で戦車を次々にドロドロに溶かしてしまうと、敗走
する戦車隊を追いかけながら尻尾の打撃で高圧鉄塔や管制塔などを破壊
する。

　そして戦車格納庫の横にある燃料タンクに熱線を浴びせると大爆発を起
こしてカマボコ型兵舎や格納庫が大爆発を起こして壊滅させたのだが、ここ
までに要した時間は1分半。
　ゴジラが戦車隊の格納庫を襲うより燃料タンク群を攻撃したところにゴジラ
の凄みが感じられると思うのだ。

　伊福部昭のBGM「ゴジラの脅威」は1分40秒ほどあって、氷山から復活して
基地を壊滅させるまで ずっとこの曲が流れていたのだから1分半ぐらいで
壊滅したと判断したのだった。

　第1作のゴジラでは都内で戦車隊の砲撃を受けたりしながら東京を蹂躙
するシーンが印象的だが、どれだけの時間を要してかは分かりづらい。
　だからこそキングコング対ゴジラのソ連軍基地襲撃シーンは具体的な
時間が分かるのでゴジラの戦闘能力の高さを表す貴重な資料だろうと思う
のだ。