ミラーマンの12話・出たシルバークロスはサブタイトルからすると新必殺技の
披露を前面に出したような感じだが、実はEPの内容自体はインベーダーが物体
移送マシンを使ってダイヤを強奪する事件を追うというのが主な内容になって
いる。
物体を原子レベルに分解しインベーダーの基地に転送させるというのを見て
思い出すのがカドミウム光線を使った物体移送機で仏像を転送させる怪奇大
作戦の京都買います。
しかも物体移送マシンを使った女インベーダーが壁の中に姿を消すシーンは
本来ならインベーダーの持つ定番の能力なのだが、怪奇大作戦的な見方を
すると1話の壁抜け男を思い出してしまう。
4話のマルチ編ではインベーダーを轢き逃げした男が事件解決後にフィアン
セから婚約を解消されてしまうシーンが印象深いのだが、これは怪奇大作戦
14話のオヤスミナサイのラストと同じで、いずれも脚本が藤川桂介作品だ。
また15話の謎の怪獣スクリーンはホログラフィを使ったジャガーの目は赤いと、
21話の恐怖の液体怪獣タイガンは光る通り魔のテイストが取り入れられている
のがわかる。
もともとミラーマンは大人の観賞に耐えられる人間ドラマを目指していてリア
リズムを求めているため、円谷作品で最も対象年齢層が高い怪奇大作戦の
テイストが入るのは ある意味当然だろうしSGMがウルトラに登場する防衛
チームというより怪奇大作戦のSRI的なチームだというのも頷ける。
そういうワケで初期ミラーマンは怪奇大作戦のテイストが取り入れられている
と考えている。
個人的には この路線は好きなのだが、いかんせん当時はヒーロー番組の全盛期で
怪奇大作戦テイストは子供が見るにはハードルが高すぎた事も事実だから地味な
印象が強いのも仕方ないだろう。