サン・ドニの惨劇から20年

 今から20年前の現地時間の今日01年3月24日にフランスのサン・
ドニで行われたサッカー親善試合で、フィリップ・トゥルシエ率い
る日本代表は前回W杯&ヨーロッパ王者のフランスに0-5と惨敗を
喫した。

 朝から雨が降り続きピッチもぬかるんだ中で試合が始まり開始10
分にPエリア内DF松田直樹が足を滑らせディディエ・デシャンを倒し
PKを献上するとジネディーヌ・ジダンに決められて先制される。

 さらに14分にはティエリー・アンリに決められるなど日本自慢の
フラット3ディフェンスはズタズタにされ次々にゴールを決められ
るのに対し、日本は劣悪なピッチに足を取られてボールをコントロ
ールできずイタリアでプレーしている中田英寿のみがまともに戦え
る状態で‘よくぞ5点で済んだ’という内容だった。

 98年10月に日本代表監督に就任したフィリップ・トゥルシエは
当初はいろいろあったものの00年6月にモロッコで行われたハッサ
ン二世国王杯でベストメンバーのフランスと対戦し、2度リードを
奪う形で2-2で引き分けてから波に乗り9月のシドニー五輪ベスト
8に続いて10月にレバノンで行われたアジア杯では素晴らしい攻撃
サッカーで優勝し勇躍フランスに乗り込んだのだ。

 当時のトゥルシエは‘フラット3システムは攻撃的なシステムで後
ろが3人の代わりに前線に人が多く2点取られても3点を取ればいい’
と攻撃サッカーを標榜し、その言葉通りにU20やU23世代にフル代
表でもアジアを制していたのだ。

 だからトゥルシエ監督だけでなく選手達もアジアを制した攻撃的
サッカーが、どこまで通じるか楽しみにしていたのだが全く歯が立
たず惨敗だったのだ。

 もっともハッサン二世国王杯でのフランスはベストメンバーだっ
たものの、1週間後にEURO2000の初戦を控えていた事もあり調整試
合だったという事。

 そういう意味ではサン・ドニで戦ったフランスこそ本気モードで
来たわけだから、雨でぬかるんだピッチコンディションという条件
を加味しても力の差を痛感させられたわけだ。

 しかしこの惨敗で攻撃的スタイルだけでは通用しない事を痛感し
た日本は、以後ディフェンスの整備に着手し戸田和幸や波戸康広ら
フィジカルの強い選手を招集し起用するなどバランスを取って行っ
たのだから悪い事ではなかった。

 やはりアジアを圧倒して制していた事から選手達も自信を持って
いたのだが、自信と過信は紙一重で過信になる前にへし折られたの
はよかったと思うのだ。

 

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