高校野球の進化は著しい

 手元に今から30年前の79年夏の甲子園大会のベースボールマガジンが
ある。

 79年といえば箕島が春夏連覇を果たした年で、この大会を代表する選手
として浪商の牛島和彦やドカベン・香川伸行らがいた。

 この年からスピードガンが本格的に導入されたのだが出場校の投手達は
130㌔投げると‘凄い’と言われていたし、120㌔台後半を投げると速球派と
言われた。

 ちなみに最高速は初戦の上尾戦で牛島が出した139㌔だったとして驚愕
されていたのだ。

  個人的に驚いたのは当時の解説者達の座談会で‘今から20年前・ 59年
に優勝した西条の金子はアウトコース低めのストレートだけで優勝した’と
いうもの。

 今なら甲子園すら出場できないだろう!

 また当時のホームランはラッキーゾーンに辛うじて飛び込むシロモノで、
バックスクリーン近くに飛ばしたといえば77年春の天理・鈴木康友、80年
夏の伊東勤、そして79年春・夏の香川ぐらいだった。

 それから30年後の今年、140㌔台を投げる投手は幾らでもいたし菊池
雄星や今宮健太の154㌔というのが最高速だった。
 つまり150㌔を投げないと‘速球派’とは言われない。

 ただし‘150㌔台のストレートを投げれば打たれない’どころか、コースが
甘くなると打たれるのが当たり前になっている。
 しかも膝元にショートバウンドするような球をすくい上げるようにしてフェ
アーゾーンに打ち返す打者がいる事。 

 我々がプレーしていた30年前に、こんな球をヒットするどころか手を出し
たら監督やコーチから怒られていたのだ。 

 ホームランもスタンド中段に打ち込むのが多く、バックスクリーンまで飛
ばすのも珍しくなくなった。
 それだけ高校野球のレベルが上がったという事だろう。

  どうしてもプロ野球の場合、OB達が‘自分達のやってきた事が全て正しい’とばかりに新しい事をやっていると非難するので百年一日の如く変わらない
事ばかりやってしまう。

  一方 高校野球の場合‘これが我が校の伝統’などと言って昔ながらの
根性論などを中心にした指導をしていれば いい選手は入って来ないから
常に新しい練習法や戦術を模索しているのが分かる。

 そうでなければ 30年の間に ここまでレベルアップする事はないだろう。

 こうして高校野球がレベルアップしている限り日本野球の未来は明るい。

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