詐欺師との遭遇

 今から30年前の今頃は福岡市内で修行をしていたのだが、この頃に初めて
詐欺というものに遭遇している。


 詐欺に遭ったのは師匠の奥さんで被害金額は1万円で済んだのが不幸中の
幸い。


 当時 師匠が行きつけの喫茶&麻雀店の奥さんが1人の留学生の世話を要請
されて引き受け、仲が良かった師匠の奥さんも近所の奥さん達と一緒に協力を
していたのだが その留学生が詐欺師だったのだ。


 この留学生は中国人で王セイチェンと名乗り九州大学の医学部で歯科医師の
見習いをしているらしく、日本語を喋れないとの事から英語でばかり話していた。


 というわけで喫茶&麻雀店の奥さんは週に1度ほど店で食事を提供していたし、
我々の仕事の練習台として先輩がカットしたのを私がシャンプー&パーマワイン
ディングに髭剃りをしていた。


 当時の店では私が最もキャリアが短かったので王シェイチェンは
‘I am dental egg , you are barbars egg’
(私は歯科医師の卵、あなたは理容師の卵)となれなれしく握手を求めていたり
していたのだが・・・・・


 ある日 世話人である喫茶&麻雀店の奥さんから‘王さんが北海道に卒業旅行に
行くらしいから’という事で餞別として1軒1万円づつカンパの要請があったため、
奥さんも1万円寄付した。


 ところが3日ほどして後援しているメンバーの1人が‘王さんは九州一周に
行くっちゃろう’と言うので辻褄が合わない事が判明し、連絡先の電話番号は
使われてなく住んでいると言っていたライオンズマンションに問い合わせたところ
‘王シェイチェンなる人物は住んでない’との事。


 例え1万円でも騙し取られた事に憤っていた奥さんだが10日ほどして店に顔を
出したOBの先輩に その事を話したら背格好や話し方を聞いて
‘そいつオレらが ここに おった時から日本語が喋れんなどと言いよって詐欺で
逮捕されたんぞ、まだあげな事しよったんか。懲りんヤツやのぉ~’というオチだった。


 田舎に住んでいたら詐欺に遭うなど当時は考えられなかったので世間では迂闊に
人を信用できないと実感した一件だった。

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