作風と劇伴がミスマッチと思われた惑星大戦争

 77年12月に公開された惑星大戦争はスペースオペラを目指して
制作された作品だったが、
クライマックスは金星での宇宙防衛艦
・轟天
と恒星ヨミ第三惑星人が搭乗する大魔艦の対決なので実写
版宇宙戦艦ヤマト的な雰囲気になっていた。

 この作品はB級アクション映画を得意としていた福田純監督だっ
たという事もあり、ゴジラファイナルウォーズ的な雰囲気もするの
だが正直言って劇伴との相性の悪さも目立つ作品だった。

 東宝特撮の劇伴といえば怪獣モノが印象的な伊福部昭や戦記モノ
を得意とする佐藤勝らが有名だが、惑星大戦争の劇伴は津島利章だ
ったのだ。

 津島利章といえば仁義なき戦いシリーズが有名だが他にはトラッ
ク野郎や、柳生一族の陰謀に赤穂城断絶などの時代劇に地震列島な
どのパニックものの劇伴が有名だ。

 一方で特撮系でいえば猿の軍団やプロレスの星アステカイザーに、
アイゼンボーグなどを担当しているのだが宇宙での戦闘のイメージ
と今ひとつ相性が悪そうなのだ。

 つまりトラック野郎で菅原文太が演じる一番星桃次郎が乗るデコ
トラの疾走シーンなどとは相性が良さそうなのに対し、轟天の重厚
さや強さなどが今ひとつイメージできない曲調だと思う。

 仮面ライダーなど等身大ヒーローの劇伴を得意とする菊池俊輔が
円谷ではジャンボーグAの劇伴を担当しているものの、軽快な曲調
が得意な氏の作風と巨大ヒーローの重厚感が見られず妙に軽過ぎる
感が拭えなかった。

 そういう意味で作風と劇伴のミスマッチというのは、意外な問題
だと感じるのだった。

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