セレス小林の世界奪取から20年

 今から20年前の今日01年3月11日に横浜アリーナで行われたWBA:
Sフライ級タイトルマッチで挑戦者のセレス小林が、王者のレオ・
ガメスを10RでTKO勝ちし世界タイトルを奪取した日である。

 王者のガメスは37歳ではあるものの前年10月に戸高秀樹を7Rで
KOしてミニマム級からSフライ級までの4階級制覇した強打を誇る
のに対し、挑戦者のセレス小林は元日本フライ級王者で前年8月に
WBCフライ級王者のマルコム・ツニャカオに挑戦し引き分けたの
に続く2度目の世界挑戦だった。

 タフな戸高の顎を骨折させてKO勝ちしたガメスの強打を小林が
いかにかわしながらポイントをピックアップして行くかというのが
焦点で、注意しないといけないのはガメスはロングレンジの攻防に
は強みを発揮するのに対し接近戦は意外に苦手という事。

 試合が始まると1Rから小林がプレッシャーをかけてボディを中心
に攻めペースを握るし、特に王者の大きなパンチをかいくぐりなが
ら打ち込むボディブローが効果的だ。

 5Rに王者の右がヒットして小林の動きが鈍るものの6R以降は再び
盛り返し左ストレートのカウンターでグラつかせるなど、一方的な
展開になるが9Rに王者の左フックが小林にヒットし動きを止めると
ペースを奪い返すべく一気にスパートをかける。

 しかし小林も負けずに打ち返し迎えた10Rに王者の打ち終わりに
ボディをせめてラッシュし最後は左フックをヒットさせダウンを奪
い、王者は立ち上がるものの足がふらついてレフェリーがストップ
し小林の勝利が決まった。

 当時の事情を知らないで見た場合は強打者とはいえ37歳のロート
ルのガメスは穴王者的な感覚だが、ミニマム級時代から横沢健二や
八尋史朗に戸高秀樹と全てKO負けしているだけでなく横沢は唇を裂
傷し戸高は顎を骨折しているのを考えると侮れない相手だった事は
確かだ。

 デビュー戦で敗れ日本タイトルの奪取も3度目の挑戦でようやく
という挫折を糧にレベルアップしていった小林が、遂に報われたわ
けでこの試合を見た時は感無量だった。

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