夏の甲子園を目指す高校野球の地区予選が7月も10日を過ぎると たけなわに
なっている今日この頃だが、私の地元・福岡も7月7日に開幕し私の母校は開幕
戦で完敗して早くも‘夏’が終わった形になっている。
実は高校時代に一緒にプレーしていた友人が開幕戦を観戦するために わざ
わざ福岡ドームまで行ったらしいが予想外の完敗に‘オレらの頃の方が強かっ
た’と電話でこぼしていた。
90年代半ばに他の地区にある同格のチームをベスト16に進出させた監督が
いた頃は97年・98年・03年にベスト16進出、特に03年は19校による決勝
大会で1勝してのベスト16だったのでOBとしては凄く嬉しかったし、それ以外
の年にも決勝大会に残れなかったもののシードされるなど それなりに強かった。
ところが数年前に その監督が他校に転任してからは残念ながらレベルダウン
したようで、監督によってチームの成績が左右されるというセオリーを裏付ける
事になっている。
‘甲子園出場が目標’と口で言うのは容易いが本気で甲子園出場を狙うなら
‘野球学校’といわれる私立並みに いい選手を集めなければならないし、その
ためには優秀な監督を招聘する必要があるのは当然だ。
福岡県内で毎年高評価されながらも甲子園出場が なかなか敵わなかった
九州国際大付がダルビッシュ有を育てて03年夏に準優勝した東北の若生
監督を招聘してから09年夏、11年春夏と3度の甲子園出場を果たし11年
春は決勝で東海大相模に敗れたものの準優勝しているのを見ても高校野球
で監督の力が いかに大きなものかが分かるだろう。
ところが公立の普通校の場合は そうはいかない。
優秀な実績のある監督を招聘するには それなりの条件が付くだろうし学業
優先を考える学校となれば、とうてい呑めない条件も出てくるのは当然だ。
普通の公立校の普通の生徒達が学業優先で一生懸命に練習し甲子園出場
を果たすというのは確かに魅力的で高校野球のロマンなのだろうが、現実的
にはプロ化したようにレベルが跳ね上がった時代に それは夢物語以外の
何物でもない。
今から30年以上前に地区内のライバル校が奇跡としか思えない快進撃で
夏の甲子園に初出場し初戦でイレギュラータイムリーで勝ち越される不運な
負けを喫したものの‘この敗戦をいい経験にして’的な表現が目立った。
このチームは学校関係者が3年計画で強化した集大成の年に いくつもの
幸運が重なっての出場ではあったが、それ以降は決勝大会にも出られない
状況になっているのを考えると関係者も甲子園初出場で燃え尽きたのかもしれ
ない。
つまり甲子園を‘本気’で目指そうとすれば甲子園で実績のある優秀な監督
・練習場設備などのインフラに選手集めなど膨大なエネルギーが必要になる
のだが学業優先を本分に掲げる公立高校では限界があるのは仕方が無い。
それを考えればプレーしている選手や首脳陣が甲子園出場を目標に頑張る
のは いいものの周囲がそれに煽られて過度に期待するのは禁物だし、監督
選びや選手集めなどを含めて限界があるという事を忘れてはいけないだろう。