メトロン星人編が名作と言われるのはセブンだからこそ

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 先日アメトーク!のウルトラマン芸人特集で‘やはり’というべ
きかウルトラセブンのメトロン星人編が紹介されていた。

 メトロン星人は人間の信頼感を喪失させる赤い結晶体をタバコに
混入し人間同士で殺し合いをさせ自滅させようと企むわけで、戦い
自体は地味ではあるものの夕陽の中での対決にラストの皮肉を込め
たナレーションなど確かにセブンを代表するEPである事は確か。

 ただしキングジョー編のようなスケールの大きさはないしメトロ
ン星人も強いどころか、むしろ弱い部類の敵なのでセブン対星人と
いう要素を基準にすると子供にとっては決して面白いEPとは思え
ない。

 それでもメトロン星人編の人気が高いのはセブンという作品のム
ードによると思うし仮にウルトラマンの中のEPだったら、ここま
で人気EPになっていたかと思ってしまう。

 メトロン星人編はメインライターの金城哲夫と初めて組んだ実相寺
昭雄監督作品だが、金城哲夫シナリオ集・ノンマルトの
使者を読んだ
ところメトロン星人とダンが話し合うのはマンション
の一室でソファ
に座っての会談だったしタバコに混入する赤い結晶
体も水道や空気
などに混ぜるための実験だったという設定。


 更に撃墜された宇宙船から巨大化した星人が街を破壊しセブンが
激闘の末、倒した後は有名なエンディングナレーションもないとい
うもの。

 つまりマンションから木造アパートや星人による街破壊に、エン
ディングナレーションなど子供が喜びそうな金城シナリオを実相寺
監督が大幅に変更した形になっているものの作品的には全ていい方
向になりセブンを代表するEPになったのだから面白い。

 ちなみに35年前に朝日ソノラマから発売されたファンタスティッ
クコレクションでセブンの3大人気EPとしてメトロン星人編とノン
マルト編にペロリンガ編の3つが挙げられていたが、いずれも他の
ウルトラシリーズで扱っても人気作品にはならなかったのではない
かと思うし それだけセブンの世界が独特だという事だろう。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
メトロン星人の (Bill McCreary)
2018-05-26 22:25:39
エピソードは、わざわざ実相寺監督が後日談を作っているくらいで、やはり彼としても会心の回だったのでしょう。で、たぶんですが、それが彼のほぼ遺作かそれに近いものだったはず。

> それでもメトロン星人編の人気が高いのはセブンという作品のム
ードによると思うし仮にウルトラマンの中のEPだったら、ここま
で人気EPになっていたかと思ってしまう。

あれも奇跡のようなエピソードだと思いますよ。やっぱりセブンだからすごい面白かったし、あの面白さを他のシリーズで再現するのは無理です。自信をもって断言できます。

メトロン星人というのは、やっていることをまじめに考えればとんでもない野郎ですが、やはり姿といいちゃぶ台といい、実に憎めないキャラクターです(笑)。そういう意味でも、実相寺、金城ほかにとっても会心の作品だということなのでしょう。

すみません、メトロン星人の件は、つい興奮してしまいます(苦笑)。


 
 
 
セブン版あしたのジョー? (こーじ)
2018-05-29 22:16:56
>Bill McCreary様
 基本的に脚本を書いた金城哲夫はシリーズメインのEPを担当していたのに対し、実相寺昭雄監督は変化球的なEP担当と真逆な作風だったのが見事にミックスされた形ですね。

 これは梶原一騎とちばてつやという全く作風の違う2人によって作り出されたあしたのジョーを髣髴させます。

 本来なら水と油のような要素が奇跡的に合致したら、こういった名作になるのでしょうね。
 
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