Bリーグの成功は日本のスポーツを進化させる

Ｂリーグ開幕！ 「バスケ新時代」成功のカギは選手の成長とプロ意識

　昨日プロバスケットボールのBリーグが代々木第一体育館で開幕し、
アルバルク東京が80－75で琉球に勝ち開幕戦を飾った。

　企業チームのNBLとbjリーグに分裂していた国内リーグを1つに
統合する形でスタートしたBリーグは、フジの地上波中継とBSでTV
中継される中でスタートし会場も1万人近い観衆を集め熱気溢れる雰囲
気の中でスタート。

　昨年のNBL王者・トヨタの東京とbjリーグ最多優勝を誇る強豪・
琉球との間で行なわれた開幕戦は地力に勝る東京がリードを奪うもの
の、第2Qに琉球が一旦逆転するなど健闘し最終Qも15点差を一時
は3点差まで詰める猛反撃を見せるなど最後まで手に汗握る展開だっ
たので見ていても十分楽しめた一戦だった。

　世界初のLEDライトを敷き詰めたコートでのプレーなど派手な演
出は93年のJリーグ開幕を髣髴させるものだったし、こういった熱
気の中でプレーする事こそがレベルアップにつながると思うのだ。

　今から18年前の98年11月に釜山一泊旅行した時にホテルに到着
して部屋のTVを点けると、どのチャンネルでも同じバスケットボー
ルの試合が中継されており会場も物凄い盛り上がりで翌日のスポーツ
紙を見ると1面と裏1面に3面まで実に4面を昨日のバスケットボー
ルの記事が載っており驚いたのだった。

　当時の日本代表が韓国に勝てないのは国内リーグの盛り上がりの
違いだと実感していたわけで、平生往生という言葉があるように普段
プレーする国内リーグが盛り上がらない事には代表も強くならないと
痛感したのだった。

　ご存知のように男子バスケットボールは76モントリオール五輪以来
五輪出場を逃し続けているだけでなく、開催国になる4年後の東京でも
レベルが低いゆえ開催国枠が微妙だと言われている。

　これまでのバスケ界は代表強化を必死にやっていたのは認める一方で
国内リーグは企業対抗という性格のまま対戦する企業が動員した身内客
ばかりでやっている感が強く、これでは本当の強化につながらないだろ
うと素人の我々が見ても思えるぐらい。

　一方でバスケは野球やサッカーと並ぶ人材確保に困らない人気競技で
競技人口も多いのだがシニアで伸ばす環境が劣悪で、それを生かしきれ
てない感が強くサッカーがJリーグ発足以来急激にレベルアップしたの
と対照的だった。

　その状況にしびれを切らした面々がJリーグのような地域密着を謳う
Bjリーグを立ち上げて大いに盛り上がっていたのだが、代表クラスは
NBLでプレーするのでレベル的には下という歪な状況が10年以上も
続き遂には国際バスケット連盟から国際試合の資格停止処分を受ける
始末。

　そういう異常な状況を打破するべく‘時期尚早という連中は百年経
っても時期尚早と言う’と言ってサッカー界を改革した川淵三郎氏が、
大ナタを振るって発足したのが今回のBリーグだ。

　思えばサッカーも日本リーグ時代はバスケのNBLと変わらない状況
でプロ化に関しても否定的な意見が多い中で発足したJリーグにより
大幅にレベルアップしたわけで、バスケ界もそれに倣って欲しいもの
だし成功する事で未だに抵抗勢力がいるバレーのプロ化を推進する事
にもなるのだから。