東京ドーム初観戦から30年

　今から30年前の昨日88年7月4日に当時蒲田で働いていた私は
初めて東京ドームで野球観戦したのだった。

　この年に東京ドームが日本初のドーム球場として開場したわけでは
あるが、1年目という事から物珍しさでジャイアンツ戦のチケットが
手に入らずジャイアンツ戦は神宮や横浜で見る事になっていた。

　そんな中で7月の第1月曜に毎年業界のコンクール・HRK大会
が隣の後楽園ホールで行なわれ出場したわけだが、できばえ自体が
パッとせず入賞はないなと思って早めに会場を後にし敷地内を歩い
ていたら東京ドームでファイターズvsブレーブス戦が行なわれる
のがポスターで分かった。

　そこでチケット売り場でチケットの売れ具合を見ようとしていた
らダフ屋のおじさんが‘ネット裏で見ないか？’と持ちかけてきた
ので値段を聞くと2000円との事。

　ネット裏が2000円ならばと購入し指定された入場ゲートを見て
いたら、やけに高い場所にあるなと思って入ってみると確かにネッ
ト裏ではあるものの最上段でグランドの選手達は点のような感じで
しか見えない。

　しかも私が座った区画の通路より下は指定席で係員が無断で入ら
ないように目を光らせているではないか！

　さらに売店で生ビールとチキンを購入したら神宮よりも100円も
高いし、チキンは妙に辛くビールは微妙にぬるいという状態で10分
もしないうちに空にしたらコンクール出場のために前夜は遅くまで
練習した疲れが出て試合が始まる前から睡魔に襲われ不覚にも居眠
りしてしまった。

　そんな中でブレーブスは星野伸之、ファイターズは西崎幸広の先
発で試合が始まり目が覚めた4回表にブレーブスが集中打で4点を
先行し終盤のファイターズの追い上げを田村藤夫の2ランによる2
点に抑えて逃げ切った。

　これといって試合内容もパッとしなかったわけだが場内が最も沸
いたのは福本豊に代わり1番を打っていたダラス・ウイリアムズが、
ドームの天井に当てるファウルを打ったシーンぐらい。

　ただし当時はドームの天井が高いため‘天井に当てる打者がいる
のか？’といわれていた中で初めてファウルとはいえ、天井に当てた
のだから貴重なものを見る事ができたわけだから行ってよかったと
思っている。

　ちなみに翌日店に出勤するとスタッフが次々と‘惜しかったね’
と言ってくれるので‘？’と思っていたら私の作品が次点だった
との事だった。