村田、エンダムとも異常なし=体格ほぼ互角―WBAミドル級
週末に有明コロシアムで2日間にわたって行なわれる5つの世界
戦のメインは、何といってもロンドン五輪ミドル級金メダリストの
村田諒太が1位のアッサム・エンダムと対戦するWBAミドル級王
座決定戦だろう。
元世界王者のエンダムはキャリア35勝21KO2敗で負けはいず
れも世界戦という強豪で、スピードとテクニックは村田を凌駕する
というのが大方の見方で間違いない。
巷の予想では村田が勝つには前半から得意のボディ攻撃で相手の
スタミナを削って行き後半勝負というものでアマチュア時代からの
村田の必勝パターンでもあるわけだが、この戦い方では個人的には
厳しいものがあると思う。
エンダムほどの巧い選手に一旦ペースを握らせると後半捕まえる
のは至難の業でポイントの挙げ方も巧いだろうから、例え後半失速
しても大晦日に内山高志がコラレス相手に逃げ切られたような展開
になりかねない。
‘スタミナに難があっても自分のペースで戦えれば乗り切れる反面、
相手のペースに嵌ったらスタミナが豊富な者でも消耗するので前半
から仕掛けてペースを握らなければいけない’と輪島功一が常々言っ
ていた言葉こそ村田が勝つためのヒントになるだろう。
後半勝負を得意とする村田ではあるが12Rを戦うキャリアはエン
ダムが上で、ペースを握られたら逆転するのは難しいと思えるため
前半でペースを握るのは必要不可欠だ。
エンダムのスピードはプロ入りして初めて体験するものだしカウ
ンターを喰うリスクもあるため自らのスタイルを崩して仕掛けると
いうのも無理があるだろうが、そこを敢えて前半からプレスをかけ
強烈なボディブローを叩き込んでポイントを奪われてもダメージを
蓄積させて行って初めて後半勝負になる。
そういう意味でも前半から しっかり手数を出し、エンダムを追い
かけ回すという展開に持ち込まないといけないのではないか。
今回のタイトルはWBAなのでWBCとは違い4R&8Rの途中採点
の発表はないわけだから、ポイントを稼ぐタイプのエンダムよりは
有利に働くと思う。
五輪で金メダルを取るというのは実力だけでなく運も必要なわけ
だし、世界ミドル級タイトルマッチを日本で開催できるというのも
運のうちなので村田には このチャンスを生かして勝ちゲンナジー・
ゴロフキンへの対戦する権利を獲得して欲しいものだ。