76崇徳の春夏連覇を阻んだ3つの不運

 先日76年選抜優勝投手・黒田真二が亡くなったというニュース
があり時の流れを実感したのだが、76年選抜の崇徳は今にして思
うと70年代としては相当なレベルだったと考える。

 何しろ黒田をはじめショートの山崎隆造やセンターの小川達明に
キャッチャーの應武篤良の4人がドラフト指名されるなどメンバー
的にも充実しており、選抜での勝ちっぷりを見ていたら春夏連覇の
可能性は十分あったのではないかと思ったりする。

 ご存じのように崇徳は初戦の2回戦でエースの黒田が発熱で途中
降板するアクシデントがありながら東海大四に10-8で打ち勝った
後に、3回戦で剛腕
サッシー酒井を擁する海星に0-1で敗れて敗退
しているのだが仮に勝っていたら案外優勝可能だったかもしれない。

 と
いうもの選抜でも初戦で優勝候補の一角・高松商に11-8で打
ち勝った後に2回戦で鉾田一と対戦し、初戦でノーヒットノーラン
を達成した戸田秀明相手に8回まで3安打無得点
に抑えられて迎え
た8回裏ノーヒットに抑え込んでいた黒田が4番の戸田にHRを打た
れリードを許す。

 しかし9回は9番からで2者連続三振の後に相手エラーを足場に
一気に4点を奪って逆転勝ちすると、準々決勝以降は力の差を見せ
つけて優勝までこぎ付けている。

 夏も初戦で東海大四相手に黒田の発熱で控え投手の和気良衛が
先発するも3回1失点で黒田を投入し打線も4回までに6点を挙げ、
快勝モードだったのだが6回に黒田がドクターストップで降板を余
儀なくされ1塁手の兼光雅之が登板するハメになり東海打線の追い
上げを許して10-8で何とか逃げ切った。

 この東海大四戦が選抜の高松商戦を彷彿させるし3回戦の相手・
海星は、酒井がエースで4番を打つワンマンチームで
選抜2回戦
で対戦した鉾田一と同じキャラだ。

 酒井相手に手こずるのは想定内だったのに対し復調した黒田も
6回まで海星打線をノーヒットに抑えていたのだが、7回1アウト
から初ヒットを打たれ2アウト後7番のライト前へのポテンヒット
で1・3塁から8番の1塁線へのボテボテのゴロが不運な内野安打と
なり先制を許しこれが響いて0ー1で敗れたのだ。

 決勝打となる1塁線への当たり損ねのゴロを打った古川一彦は
8番ながらチーム一の俊足で左打者だったし、
7番・由本の一打は
ライト前への詰まったポテンヒットだったから1塁ランナーが3塁
に進めたという海星にとっては幸運な崇徳にとって不運な3つの
要素があり、そのうちどれが欠けていても点が入らなかった事に
なる。

 仮に勝っていれば選抜同様に準々決勝以降ポテンシャル全開に
なった可能性は高いし対戦相手を見ると東北、PL学園、桜美林だ
から普通に戦えば十分勝てる相手だったと思うのだ。

 ちなみに当時の崇徳ナインは選抜で優勝し夏の予選で広島商に
快勝して春夏連続出場を決めたので満足感が漂っていたという話
を聞くが、選抜優勝を花道に勇退した久保和彦氏が監督を続けて
いたら選手達のモチベーションの低下も防げていたかもしれない。

 そういう意味でも82~83年の池田や桑田&清原時代のPL学園に
匹敵するポテンシャルを秘めていたので、春夏連覇
していれば後
世代まで伝わる
チームになっていたのではという思いが強いので
ある。

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