ファイターズの中田翔は今日のマリーンズ戦で2試合連続HRを
放ったものの6月は3本とペースが落ちてきており、以前その原因
として体重を落とした事が先日日刊ゲンダイで取り上げられた。
確かに昨年までに比べシェイプアップされているので体にキレが
出ていたのが、6月に入って暑くなり疲れが溜まりやすくなったと
いう説も分からないでもない。
しかし個人的には中田のHR数の減少は5番打者の不振によるもの
ではないかと思っている。
交流戦明けに福岡でのホークス戦を見ていると1番・西川遥輝から
3番・田中賢介までは当たっているのに対し、4番・中田&5番・大谷
翔平の不振で畳みかけられず3連敗を喫したのを見ていると今シー
ズン打撃不振の大谷の5番起用が中田までおかしくしているのでは
ないか。
つまり4番・中田が怖いので3番の田中までは打てるものの肝心の
中田は5番の大谷が不振という事で‘自分で決めなければ’と考え
力みかえっている感が拭えなかった。
たしかに4番は打線の軸でチームの勝敗を決める打順ではあるが
4番のみが目立つチームというのは決して強くないし、実際75年の
王貞治は前年までコンビを組んでいた長嶋茂雄の引退で孤立して不
振に終わったのだが翌76年に張本勲がトレードで入団すると復活し
たような実例もある。
実は74年の長嶋茂雄は打率、231でHRも20本という成績に対し
王は三冠王を取っているので‘長嶋がいなくなっても王がいれば大
丈夫’と当時言われていたし我々も思い込んでいたのだが、先述した
成績の長嶋でもマークが分散していたという事を実感したわけだ。
‘打線’というからには強力な4番だけでなく前後を固める打者が
影響するのは必然だ。
ホークスの柳田悠岐がHRを量産しているのはホームランテラス
だけでなく3番で起用され4番に安打製造機とも言える内川聖一が
後ろを固めているという要素も見逃せないし、ライオンズの中村剛
也とエルネスト・メヒアがHR王を分け合ったのも4番と5番で
刺激しあっているからこそではないか。
その点ファイターズは中田以外の大砲といえば大谷翔平と両外国
人選手だから、彼らが打てれば中田の調子も上がってくるのではな
いかと思うのだ。