プロ野球がF1に負けて30年

 今から30年前の今日90年10月22日は月曜日だったのだが、
この日のスポーツ紙一面はジャイアンツーライオンズ戦の
日本シリーズではなく、F1日本GPで鈴木亜久里の3位表彰台
の記事が占め初めて日本のスポーツの中心だったプロ野球が
F1に敗れた事になった。

 当時のプロ野球日本シリーズは全試合デイゲームで行われ
ており、ジャイアンツとライオンズという黄金カードの実現
で大いに沸いて熱戦が期待されていた。

 一方で同じ日にF1日本GPが開催され日本勢は中嶋悟と鈴木
亜久里が出場していたが入賞がやっとという感じだったし、
TV中継は夜に録画中継という形でスポーツマスコミの扱いは
断然日本シリーズが上だった。

 ところが日本シリーズはG1で5-0、G2でも9-4とライオン
ズが敵地・東京ドームで連勝しただけでなく、内容的にも圧倒
し早くも火曜日以降の所沢で決まるのでは…という雰囲気だっ
た。

 そうこうしていたら夕方のニュースで鈴木亜久里の3位が流
れたのだから、録画とはいえ夜の中継に飛びついたのだ。

 スタート最初のコーナーでアイルトン・セナとアラン・プロ
ストが衝突してリタイアする波乱の展開となり、ナイジェル・
マンセルやゲルハルト・ベルガーら有力選手が次々にリタイア
していく中で鈴木は3位をキープしネルソン・ピケとロベルト
・モレノに次いで表彰台に乗るという快挙を演じたのだった。

 これには夜のニュース番組では日本シリーズを差し置いて
トップで報道されるなど凄い盛り上がりを見せ翌日のスポーツ
紙の一面は?と思っていたら、本来ならジャイアンツ一辺倒の
報知もジャイアンツが連敗した事もあり全てのスポーツ紙の一
面をF1が飾ったのだ。

 思えば日本のスポーツ界ではプロ野球が王様で特に日本一を
決める日本シリーズはスポーツ紙一面トップが当たり前だった
わけだが、やはり世界最高峰の大会で日本人ドライバーが3位に
入るというのは素晴らしい快挙で一面に持ってこざるを得ない
という事になった。

 考えてみればプロ野球の日本シリーズは日本一で終わりなの
に対し、世界を相手に戦い世界一を目指す方が価値が高いのは
当然。

 それから3年後に行われたスワローズーライオンズの日本シリ
ーズは、同時期にカタールのドーハで行われたサッカーW杯アメ
リカ大会アジア最終予選の裏番組となり話題のほとんどをサッカ
ーに持って行かれる事になるのである。

 

 

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