亀田一家が、受け入れられないワケ

　昨日世界フライ級タイトル王者の内藤大助が、記者会見で
「国民の期待に応えて亀田に勝ちます」と言った。
　’はじめの一歩’の作者の森川ジョージ氏が坂田や内藤の
タイトル奪取には「おめでとうございます」など祝福のコメ
ントを残しているのに対し、亀田がタイトルを奪取した時は
触れてなかったのが印象的だった。
　
　何でここまで亀田兄弟の受けが悪いのか？
’態度が悪い’’ビッグマウス’などの要素がいろいろあるが
何よりの原因が、ビッグマウスと実力が伴っていない所だろう。
　兄の興毅は、一応東洋タイトルを取って世界挑戦した。
　ただ防衛戦を行わず、ロートル相手に調整試合を3試合こなし
本来のフライ級ではなくLフライ級での挑戦を画策したのだ。
　当時のWBA王者はテクニシャンのR・パーラ、WBC王者は当時
15回まで防衛を伸ばしていたポンサクレック。彼らが防衛戦を
行うのに来日する度に挑発行為を繰り返していた。
　「それならば、いつでも挑戦を受けていい」と言われると、
あっさり降りて「3階級制覇する」と言ってLフライ級に転向。
　しかもWBAのLフライ級王者で強打者だったRバスケスが、体重
苦で返上したのを待っていたかの如く決定戦に出場。
　相手は1階級下のミニマム暫定王者だったJランダエダ。
当時のマスコミは、亀田家のプロパガンダに煽られて’勝てる
だろうか？’ではなく’何ラウンドで倒すか？’という予想を
する始末。
　それが1階級下から上げた相手に、いきなりダウンを喰うし
前進してフックを振り回すだけ。最終回にもKO寸前まで追い込ま
れ完敗と思われたが、幸運な判定に救われたのだ。
　これで実力が、ハッキリした。
　一応ランダエダとの再戦には足を使って完勝したものの、体重
苦を理由にあっさり返上したのだ。
　
　それでも興毅は東洋王者になったり元ミニマム級王者のNアラン
ブレッドに勝っているが弟の大毅は、とてもじゃないが世界レベル
ではない。
　世界ランカーと言っても20位前後のロートルばかりを相手に、
好意的なレフェリングに恵まれて勝ってきたのだ。
　しかも’強打者’とうそぶいているものの、Sフライ級ではパワー
不足というのが見え見え。そこでフライ級に落として来た。
　父親は「亀田家で年内にフライ級を独占する。WBAを大毅がWBCを
興毅が取る」とブチ上げていたが、今年3月にジムメイトの坂田健
史がWBAフライ級王者に、7月には17回防衛してたポンサクレックを
破った内藤大助がWBC王者になる。
　これで一家が忌避していた日本人との対戦をしなければならなく
なったのだ。

’ビッグマウス’と言われていた辰吉丈一郎は、対戦相手がいない
のでデビュー以来3戦とも外人相手と戦っていたが、4戦目に後楽園
ホールで日本王者の岡部繁を4RでKOしたのだ。
　岡部は、後の世界王者・薬師寺保栄や世界挑戦した横田広明にも
勝っている実力者だったが、その横田に完勝したので辰吉が目利き
ファンから認められたのだ。
　本来なら日本人選手と1試合は戦って世界挑戦するべきだが、特に
大毅はまともな強敵とも対戦せずに「日本人最年少記録を作りたい
から挑戦させてくれ」などという不埒な理由で挑戦にこぎつけた。
　内藤の戦績を見ると、
負けたのは、ポンサクレック戦の2敗のみ。WBA王者の坂田とも引き
分けている立派な王者だ。
　それを「ゴキブリ」呼ばわりするなど全く尊敬の念もない。
　ボクシングをはじめとした格闘技は、対戦相手への尊敬の念が必要
不可欠だ。
　’ケンカボクシング’は言葉のアヤで、ケンカとボクシングは対極
に位置する。
　それをリングで本当にケンカをしかけるようなマネをする亀田一家
が受け入れられるワケがないのだ！

　内藤選手のレコードは’いや～んな日々’を参考にさせていただき
ました。ありがとうございます。