レッドマンは見てなくて良かった

　ウルトラマンZはウルトラメダルでウルトラフュージョンを敢行
して力を強化する戦法が主流で、ウルトラマン・エース・タロウの
メダルで変身するベータスマッシュはパワー系だがデザインを見る
とレッドマンを髣髴させる。

　レッドマンは72年4月から半年間おはよう！こどもショーの中で
5分番組として製作された作品だからウルトラマンやセブンの戦闘
場面を編集したウルトラファイトと同じく、ストーリーは関係なく
レッドマンと怪獣との戦いのみを描いているもので円谷作品だから
ウルトラを含めた円谷作品に登場した敵キャラと戦う形になってい
る。

　当時の我が家は朝から子供向け番組など見られなかったので友
人達が‘今日はブラックキングが出た’‘今日はアーストロンと戦っ
た’などという話を聞くと見たくてたまらなかったわけである。

　また子門真人が歌う主題歌もカッコよく‘敵にとどめのレッドナ
イフ、レッドキック、レッドチョップ、レッドフォール’など技の
名前が連呼されるのだから、どんなに凄いのだろうかと想像して
いたわけだが・・・

　最近は動画サイトがあるので見る事ができたのだがレッドマン
の身長は42ｍという設定だったにも拘わらず、ウルトラファイト
後半のような雰囲気だから造成地のような場所でアトラクション
ショーをやっているようにしか見えない。

　そういうわけだから円谷作品の得意分野である光線技はほぼ使
わずに帰ってきたウルトラマンのウルトラクロスを流用したレッ
ドアローや、大型ナイフのレッドナイフなどが武器で残りは打撃
技が主でありレッドフォールは崖から谷底に投げ落とすという荒
技だった。

　しかも突然戦いが始まり敵は戦う意思がなくても強引に戦って
最後はレッドアローで串刺しにして（場合によっては執拗に）と
どめを刺したり、レッドナイフで首を跳ねたり崖から投げ落とす
などヒーローにあるまじき戦い方をするため‘今では放送できるの
か？’的なシーンが多い。

　だからか最近はネットで‘赤い通り魔’という異名にもうなづけ
るわけで、怪獣達にとっては正しく赤き死の仮面というキャラに
なるのだろう。

　そういう意味では‘見なくてよかった’と思う、典型的な作品と
いう事になる。