西岡利晃TKO負け、ドネアは強かった

西岡TKO負け=ドネアに完敗、引退へ―ボクシング世界Sバンタム級(時事通信) - goo ニュース

 日本時間の今日12:00からカリフォルニア州カーソンで行われたWBCスー
パー王者の西岡利晃と4階級制覇したWBO王者のノニト・ドネアのSバンタム級
タイトル統一戦はドネアが9RTKO勝ちし、敗れた西岡は引退を表明した。


 2R以降手数で圧倒する戦法に出たドネアに対しスピードに圧倒される形で
ラウンドが進んだ6Rに左アッパーを受けてダウンした西岡は ここあたりから
攻勢に出るものの圧倒的な手数の差で時折パンチをヒットさせてもポイントは
ドネアに流れる展開で迎えた9Rにドネアをロープに詰めてジョニー・ゴンサ
レスを倒した左ストレートを打ち込もうとした瞬間に右ストレートのカウンターを
受けてダウン。


 何とか立ち上がったものの帝拳陣営の要請を受けてレフェリーがストップする
形になった。


 個人的な予想では睨み合いのような展開が続けば西岡にチャンスありと思って
いた。


 今年に入ってからのドネアの試合ぶりを見ていたら前半が強いのに対し後半
ペースダウンする傾向があったので、マルケス戦同様4Rぐらいまではポイントを
失ってもボディを攻めて行き5R以降からペースを掴む展開になればと考えて
いたのだ。


 実際1Rは そういう展開で試合が進んでいたのだが2R以降は手数で圧倒
されて突破口を掴めずにズルズルとラウンドを消費する事になり、最大の誤算
が6Rに左アッパーでダウンを喫した事だろう。


 ドネア最大の脅威は左フックだという事で右ガードを高く上げていたのだが
見えない角度から飛んでくる左アッパーに対処できなかった形になる。


 ただダウンを喫した事で倒さないと勝てない展開になったので攻勢に出たの
だがパンチはヒットさせるもののドネアの手数にポイントは流れず、迎えた9Rに
ようやく右ジャブでロープに詰めて左ストレートを打ち込もうとしたところに右スト
レートを合わされたという事になる。


 今回ドネアが西岡を かなり研究していたという事はバスケスJr戦やマセブラ戦
と比較してもスピードが断然違っていた事からも分かるし完璧に仕上げてきていた
のだろうし、ドネア戦がゴールだった西岡と西岡戦は通過点だったドネアのメン
タリティの違いかもしれない。


 それは昨年10月にマルケス戦後に本田明彦会長が‘西岡は次の試合がラスト
ファイト’的なコメントをしていた事でドネア戦のみを戦うモチベーションにしていた
事からも分かる。


 とはいえ32歳という戴冠年齢だったので‘世界を取れただけでもよかった’と
思われていたのがメキシコに乗り込んでジョニー・ゴンサレスを左ストレート一撃
でKOして防衛した事からビッグマッチ路線が開け、一昨年10月にレンドール・
ムンローを圧倒してラスベガスでのラファエル・マルケス戦に臨んで判定勝ち
するという歴代の日本人世界王者が誰もなし得なかった快挙を30代半ばで成し
遂げたのだから大したものだ。


 たしかにドネア戦は完敗かもしれないが かつての中量級ならばシュガー・レイ
・レナードクラスとの試合だったわけで、何ら恥じ入る事もないだろう。


 30歳を越えてからの西岡でも ここまでできるのだから井岡一翔らにも続いて
欲しいものだ。


ともかく西岡には‘お疲れ様でした’と言葉しか浮かばない。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ドネア強かったですね (ある)
2012-10-14 23:47:35
結果はドネアがTKO勝ちしましたが、日本人世界王者が海外で知名度高い超一流王者と戦った事だけでも特筆される事であり、充分賞賛に値します。

試合を実現させた西岡の執念と帝拳ジムのバックアップには敬意を表したいですね。

試合前、私も「結構お互いの強打を警戒して手が出ないんじゃないか」「そうしたら長い距離から右ジャブを出す西岡の方が見栄えイイ展開になるんじゃないか」と思ってましたが
ドネアのジャブ・ストレート、踏み込んでからの高速連打は、想像以上に距離を制圧してきました。

ドネアの速い強打の前に、右も左も手が出ない状況は ひたすら厳しかったですね。

ただダウンを奪われた第6Rと第9Rは、その展開を打開しようと、自分から前に出て手を出した結果ですから、もう仕方ないと思います。

ダウンを奪ったドネアの左アッパーと右ストレートは、まさに「異次元のパンチ」でした。

ダウンを奪われてジリジリと後退し尻すぼみで判定負けする不名誉を拒否し、勝利を目指して攻撃を仕掛けた西岡の勇気は称えたいですね。
素晴らしかったです。

花道ともいえる舞台を与えてもらった西岡選手は、本田会長の「引退」の言葉に従うべきでしょう。
ただただ「お疲れ様」と申し上げたいです。

日本ボクシング界の最大の大一番が終わり、
暫くは放心状態が続きそうですね。
 
 
 
まったくです (こーじ)
2012-10-16 21:57:13
>ある様
 ドネアはよほどの事がない限り日本人選手と対戦する事はないし、当初はアルセとの試合予定だったようですからね。

 6R以降攻勢に出たもののドネアが狙った展開になってましたからカウンターを食う事を覚悟の上だと思います。

 だから最後の右ストレートで倒されたのはともかく6Rに左アッパーでダウンしたのが余計だったのではないでしょうか。

 あのまま同じ展開でジリ貧の終わり方をする事こそ悔いを残すでしょうから、仕方ないでしょう。

 10月27日の粟生戦と11月3日の五十嵐&山中戦があるにも拘らず、今年のボクシングが終わった気がしますよ。
 
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