井上尚弥、10RKO勝ちで3度目の防衛に成功

井上尚弥 10回KO勝ちで3連続防衛に成功 ペッチバンボーンを撃破

 今日スカイアリーナ座間で行われたWBO:Sフライ級タイトル
マッチで王者の井上尚弥は1位のペッチバンボーン・ゴーキャッ
トジム相手に10RでKO勝ちし3度目の防衛に成功した。

 試合は立ち上がりから井上が左ジャブを中心にした戦い方を
見せ、前進して来る挑戦者の打ち終わりを狙ってパンチを決め
る展開で進み特に井上の左ジャブが効果的にヒットをしていた
のだがラウンドが進むにつれて右の使用頻度が減って来ていた
ので拳を痛めたか?と心配された。

 距離を取りながら左ジャブで挑戦者をコントロールするのも
素晴らしかったし10Rの2分過ぎに左右のコンビネーションを決
めると、挑戦者は蓄積したダメージからか後退を始め棒立ちに
なり最後は右ストレートがヒットしてダウンし立ち上がれずKO
となった。

 試合前は‘ロマゴン戦への前景気を煽るため4R辺りでKOか’
などという予想だったのだが、挑戦者は16連勝して臨んでいる
だけにタフで突進力もあるため井上も手を焼いていたようだ。

 問題は5Rに挑戦者のパンチがローブロー気味に入った時と、
8R半ばにロープに詰められて不用意に打たれたシーンで集中力
を欠いたような形でノーガードで打たれていた事から相手が標
的としているローマン・ゴンサレスだったら致命傷になりかね
ない。

 試合中に痛めた拳だけでなく試合前に痛めた腰の影響からか
中盤からボディブローもあまり出なくなっていたので、前戦に
続いてまたしても判定か?と思われた中で最後のチャンスで倒
せたのは大したものである。

 考えてみれば3度の防衛は全て1位相手で今回と2度目のカルモ
ナ戦は拳を痛めていた中での試合だったにも拘らずポイント的
には完勝しているわけだからキャリア11戦という事も考慮すれば
大したものだが、ローマン・ゴンサレスのような大物相手とビッ
グマッチを期待される故に最近の2試合は‘苦戦’と評されるの
だろう。

 ただし井上の試合を見ているとタイトルを取ったアドリアン・
エルナンデス戦やオマール・ナルバエス戦は素晴らしい試合だっ
たのに対し、防衛戦ではSフライの初防衛戦のパレナス戦以外は
手こずった感が強いのを考えると井上のような天才肌の選手は
相手が大物でなければモチベーションを保てないのかもしれない。

 今回の試合を見て‘ロマゴン相手では厳しい’という声も当然
ながらあるだろうが、意外にロマゴンのような強敵こそが井上の
ポテンシャルを引き出せるのかもしれない。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
モチベ云々じゃなくて (アンジェラマオ)
2016-09-06 03:57:43
 モチベ云々じゃなくて、とにかく井上は拳の負傷が多すぎる。これがキャリアの命取りになる気がします。
これによりキャリアの到達点が大幅に低くなった選手は一杯います。
 
 
 
古くは海老原博幸ですね (こーじ)
2016-09-06 22:38:05
>アンジェラマオ様
 拳のケガといえば古くは海老原博幸や80年代の浜田剛史に最近では内山高志ですか。

 やはり父親だけでなくベテランのトレーナーに見て貰わないといけないかもしれませんね。

 まさか海老原のような偏食家ではないと思いますが。
 
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